« 四季折々の庭 | トップページ | 富士山定点観測 »

2010年8月25日 (水)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(4)・・・備忘録

これは’08.7.19にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはTHE AMAZING BUD POWELLです。

アルバムはTHE SCENE CHANGES(’58.12.29録音)です。

Ⅰ 1.CLEOPATRA’S DREAM 2.DUID DEED 3.DOWN WITH IT 4.DANCELAND 5.BORDERICK

Ⅱ 1.CROSSIN’ THE CHANNEL 2.COMIN’ UP 3.GETTIN’ THERE 4.THE SCENE CHANGES

メンバーはBUD POWELL(p)、PAUL CHAMBERS(b)、ART TAYLOR(ds)です。

このアルバムが録音されたのはRVG宅での居間である。きちんとしたスタジオを構えるのは年明けの7月ですから’58年内最後の録音ですね。

ブルーノートサウンド=RVGと言うイメージを強く持っているけれどこれはそうではなくアルフレッド・ライオン・サウンドであってRVGはエンジニアとして彼の望むとおりの音を実現しようとしただけなんだ、と。

このアルバムはわが国では冒頭のクレオパトラの夢一曲で異常なまでの人気を呼びパウエルの作品の中ではダントツのベストセラーとなっている。

パウエルはこの録音を最後に渡欧する決心を固めていた。渡欧以前から彼の体調及び精神状態は不安定で当時行われた録音も日によって波がありその状況は渡欧後も変らなかったようだ。

彼がそうなってしまった伏線として’45に起こった事件が関わっている。彼は幼い頃から天才振りを発揮しビ・バップ・ピアノの創始者としてその神懸かった才能を発揮することになったのだが’45のある日、警官に頭を殴打されそれが原因でてんかん等の症状を呈するようになる。

更に精神分裂の兆候も現われ’47から’49に掛けて相当の入院を余儀なくされて病院での電気ショック療法以降薬剤とアルコールとの相乗効果もあって次第に以前の閃きに満ちたフレイジングを失っていく。

’53頃を境にパウエルは以前とは異なる何かで再びジャズ・ファンを惹きつけ、ハード・バップ全盛期を生き延びていく。このアルバムはその”2人目”のパウエルが残した最高傑作と言うことになる訳だ。

パウエルのブルーノート盤は30cmLPで数えれば5枚あり、’57から’58に掛けて録音されたVOL.3~5はこの時期の代表作となった。

このアルバムは全曲パウエルの作品であるが、決して一つのカラーで染め上げられている訳ではない。~ライナー・ノーツより

Ⅰ1.CLEOPATRA’S DREAM はミディアム・ライトのマイナー・テーマでパウエルは全編、弾きっ放しです。

2.DUID DEED はバップ特有のラインを持つゆったりとしたテンポの曲です。

3.DOWN WITH IT は長いシングル・ノートのラインは古き良き変革の時代を彷彿とさせる。

4.DANCELAND は略タイトル通りの曲で単純でダンサブルな曲です。

5.BORDERICKはパウエルの作品の中では異色である。彼の3歳の息子に捧げた作品。彼はある晩、息子の為に即興でこの作品を作った。それは家庭人パド・パウエルの顔を垣間見せているようだ。

Ⅱ 1.CROSSIN’ THE CHANNEL は変音階が練習曲のように聴こえるアップ・テンポのテーマはその提示の確実さと強さにおいて傑出している。この確実さこそが彼の精髄であり、彼を真似るだけの者が全く同じフレーズを並べても救い難い音楽性貧血症に陥ったような音しか出すことが出来ない。

2.COMIN’ UP は彼のソロ録音の中でも最も長いもいので8分にも及ぶ。そしてアート・テイラーの刻む控え目で補足的なリズムはとりわけ真価を発揮している。

3.GETTIN’ THERE はミディアム・ブライト・テンポのマイナーに戻っている。特に管楽器のようなアドリブに感銘を受けた。例えばクリフォード・ブラウンやアール・ハインズの演奏の概念はより根源的に管楽器的なパド・パウエルの概念とは全く違うものだ。

4.THE SCENE CHANGESはバップ的な曲。

以上ライナー・ノーツより

私自身彼の音楽を聴くのは初めてです。このアルバムは私にとっても彼のアルバムをもう一枚欲しいな、と思わせるに十分なインパクトを与えてくれました。良いアルバムです。

|

« 四季折々の庭 | トップページ | 富士山定点観測 »

BN再発盤」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。