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2010年8月17日 (火)

MERCURY LIVING PRESENCE CD・・・備忘録

MERCURY LIVING PRESENCE シリーズCD(8)

これは’09.4.15にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはイーストマン・ウィンド・アンサンブルです。フレデリック・フエネル指揮戴冠式行進曲「王冠」~ブリティッシュ&アメリカン・バンド・クラシックス(’58、’59録音)です。収録時間は61:30

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フェネルはイーストマン音楽学校で学び、’52イーストマン管楽アンサンブルを組織。高名を博している吹奏楽界の権威。

ジェイコブ(1902~1984)

組曲「ウィリアム・バード」

 

1.①オックスフォード伯爵の行進曲

2.②パバーナ

3.③ジョンがキスをしにやってくる

4.④乙女の歌

5.⑤ウォルシーの荒野

6.⑥鐘

ウォルトン(1902~1983)

7.戴冠式行進曲「王冠」

ホルスト(1874~1934)

8.プレリュードとスケルツォ「ハマー・スミス」作品52

ベネット(ロバート・ラッセル)(1894~1981)

バンドのためのシンフォニック・ソング

9.①セレナード

10.②スピリチュアル

11.③セレブレーション

ジェームズ・クリフトン・ウィリアムズ(1923~76)

12.ファンファーレとアレグロ

ジェイコブはウイリアム・バードの没後300年記念に、フィッツウイリアム・ヴァージナル・ブックから6曲を選んで優れた組曲を作り上げた。

「オックスフォード伯爵の行進曲」ではこのディスクに収録されている他の多くの曲と同じく、ジェイコブは非常に展開が多く華やかな装飾音を持つオリジナル曲の約半分を使っている。この拍子の安定した荘重な音楽は高貴な人物の威厳を見事に表している。

「パバーナ」はゆっくりと引き伸ばされた音が弧を描くように流れ、深い感情が雄弁に管楽器で歌われる。

「ジョンがキスをしにやってくる」に聞かれる魅力的なハーモニーと生き生きしたリズムは、イギリスのマドリガルとバードの時代の鍵盤楽器の音楽様式を示している。8小節からなる7つの変奏曲である。

「乙女の歌」は金管のユニゾンで素朴に始まり、続いて対位法と装飾的な展開へと進行する。ジェイコブがオリジナル曲を尊重しつつ書き上げた見事な音の集群が聞かれる。

「ウォルシーの荒野」では、バードが楽器の性格から来る和音的な限界を、見事に演奏の中で克服した柔軟さが感じとれる。ジェイコブはバードのこころざしたダイナミックな対照を実現させる為に、楽器に音色的な変化を加えている。

組曲の最後は「鍵」で先行する2つの音型がたえず曲全体に流れ、その上を躍動するように、変ロで奏される鐘の音を基にした変奏が奏でられる。

これらの魅力的な曲を組み合わせる作業は、ジェイコブにとって喜びであったに違いない。彼の書いたものは、バードの単なる編曲では決してない。ジェイコブによって見事に構成された器楽的な色合いはバードのヴァージナル用の作品には殆ど暗示されていない。この小さくて単純な楽器はチェンバロ族に属している。形に比例して「小さな音」で「表現にも限界がある」といった点も、バードの創造力をそぐものではなかった。

それを見抜いたジェイコブは鋭い感性で、これらの曲が如何にオリジナルの楽器から遠ざかろうと、「表現力の豊かな楽器」にふさわしいと考えたのである。ここに初めてレコード化された組曲「ウィリアム・バード」は、金管バンドのレパートリーとして世界中で親しまれるようになるに違いない。

ウォルトンの書いた戴冠式行進曲「王冠」の溢れるばかりに活気ある音楽は’37.3.9に初演された。イギリスの軍楽隊の楽器編成をフルに活かした響きに、イーストマン劇場のパイプ・オルガンが加わって演奏されたのである。

プレリュードとスケルツォ「ハマー・スミス」作品52はホルストがイギリスの軍楽隊のために書いた3つ目の傑作だった。ここに収録されたのが、この曲の初レコード化になる。この作品は金管バンド用の作品でも第一級の作曲家として名を残す、ホルストの独自の地位を示すものである。しかしホルストはオリジナルの形でこの作品が演奏されるのを、一度も耳にすることなく4年後に死んだ。

「ハマー・スミス」が初演されるまでに、それから4半世紀が過ぎた。

ジェームズ・クリフトン・ウィリアムズはR.バーナード・フィッツジェラルドに捧げた「ファンファーレとアレグロ」でアメリカ・バンドマスターズ協会の支援するオストワルド賞を受けた~ライナー・ノーツ。

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