盤塵集(音の姿を求めて)・・・備忘録
これは’07.9.10にアップしたモノの要約です。
今は亡き池田圭氏の手になる本です。
昭和56年2月20日初版ですから1/4世紀前になります。
私がこの本に出会ってから数年後ある方の紹介でお宅を訪問させて頂く機会を得ました。
私は当時マンション住まいで東京の住宅街でこのようなお住いが現にあると言うことはリスニングルーム関係の本で写真入で紹介されていましたので「絵」としては理解していました。
訪問日は紹介者の方が先ずご本人にお会いされており、その後に私と友人がお邪魔させて頂きました。全くの初対面なので仲介役を引き受けて下さったのです。その節は本当に有難うございました。
挨拶も程々にあのリスニングルームに案内して頂くことになりました。
入った時の印象はリスニングルームと言う感じではなく巨大な鉄筋コンクリートの倉庫と言う様に私の目には映りました。兎に角物が満ち溢れています。奥の壁の前に巨大なWEの15AホーンSPがセットでこちらを睥睨しています。
通常のリスニングルームとまるで感じが違うので操作系は何処に何が置いてあるのか全く分かりません。そして床は殆ど見えない状態です。人間が歩く幅の分だけ床が見える有様です。
そして左奥の部屋にはLP等がぎっしりと整理されておりました。普通でしたら何枚位あるのですか、とか尋ねると思うのですが余りに浮世の世界と差があり過ぎて口あんぐり状態でした。
私はこの時点でこの手の巨大SPの音を聴いたのは未だ数例もありませんでした。皆メーカーは違いますし、音の比較も出来ません。
と言うことでやっと音を出して頂きました。
その音は私が当時マンションで聴くレベルよりも遥かに控え目な音量で空間が大きいだけに正しく蚊の鳴くような音でした。ですから良し悪しは勿論素性さえも良く分かりませんでした。
ご本人は当時勿論ご高齢ではありますが、日常この程度の音量でお聴きになっておられるのだろうか、と不思議な思いをした記憶があります。
ご本人は、ご存知の方もおられるとは思いますが小柄な方です。でも眼光鋭く初対面の我々ははっきり言って威圧されました。小心者の私ですから質問はおろか余計なことは一切話し掛けられる雰囲気ではありません。
まぁ勇気を振り絞って少しだけお話はさせて頂きましたが内容は全く覚えていません(;´Д`A ```。
現在のオーディオ評論家の草分け的な存在でありますし、若輩者の私ごときが本来直接お会いすることも不可能な方であることは百も承知しています。これは正に紹介者のお蔭です(紹介者は池田氏とは旧知の間柄です)。
と言うことでオーディオ的に参考になることは余りに違い過ぎて何もありませんでしたがその現場を見聞きしたことは今の我が家のオーディオルームの建設の際参考にさせて頂きました(高さの面で...)。
今回紹介させて頂いた本はラジオ技術誌の連載を纏られたものです。当時の定価¥2,500.-は決して安いものではありませんでしたが、参考になればと思い購入した次第です。
私にとってこの本はある意味後年お宅を訪問させて頂く切っ掛けになった要因かも知れません。音のことは兎も角環境面でのインパクトは物凄く感じ、しがないサラリーマンに得られるスペースとは差があり過ぎることを認識しつつ夢だけは抱き続けてきました。
この訪問後3年位で今の我が家を建築する機会が訪れたのも何かの縁だと思っています。
その意味では恩人でしょうか(あれっ、本の中身の紹介は?、どうぞお求めになって読んで下さい(爆)。・・・中古であるでしょう)。
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