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2010年6月19日 (土)

弘田三枝子のアルバム・・・備忘録

紹介するアルバムは前のブログでアップしたモノの要約です。

アルバムは全部で8枚です。後年買った重量盤は外しました。

ALL ABOUT MIKO!(’70発売 日本コロムビア ¥2,400.-)これは2枚組みです。

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このアルバムは曲毎にバックが変更していますので片面毎に紹介します。

Ⅰ 1.燃える手 2.私が死んだら 3.渚のうわさ 4.可愛い嘘 5.風とオトコのコ 6.鍵を捨てたの

1.3.6.はコロムビア・オール・スターズ

2.4.はスリー・シンガーズ&コロムビア・オール・スターズ

5、はルナ・アルモニコ&コロムビア・オール・スターズ

Ⅱ 1.人形の家 2.枯葉のうわさ 3.渚の天使 4.さざ波のバラード 5.鏡の中の天使 6.あなたがいなくても

1.5.6.はスリー・シンガーズ&コロムビア・オール・スターズ

2.はコロムビア・オール・スターズ

3.はコロムビア女声合唱団&コロムビア・オール・スターズ

4.はヴォンクール&コロムビア・オール・スターズ

Ⅲ 1.子供じゃないの 2.ヴァケイション 3.ナポリは恋人 4.踊り明かそう 5.ビー・マイ・ベイビー 6.砂に消えた涙

1.2.は猪俣猛とウエスト・ライナーズ

3.はコロムビア合唱団&コロムビア・オール・スターズ

4.は原信夫とシャープス・エンド・フラッツ&ゴールデン・ストリングス

5.はジミー竹内とオール・スターズ・・・ジミー竹内は日本ジャズ史上における名ドラマーの一人。

6.はコロムビア・オール・スターズ

Ⅳ 1.スターダスト 2.やさしき伴侶を 3.カミン・ホーム・ベイビー 4.マック・ザ・ナイフ

1.は渡辺明とリズム・エンド・ブルース・・・ミコのコンサートの為に結成されたコンボで都市センター・ホールにおけるコンサートの実況録音。

2.は佐藤允彦(p)、江藤勲(b)、石川晶(ds)・・・’69京都会館大ホールで歌いました。

3.はビリー・テイラー・トリオ・・・ミコがニュー・ポート・ジャズ際に出演した際、伴奏したトリオです。

テイラーはベン・ウエブスター、D・ガレスビー等と働き、’52以来自己のトリオを持っている。

これはニュー・ヨークでの録音です。ベン・タッカーのオリジナルでベンはこの録音にも参加しています。

4.は原信夫とシャープス・エンド・フラッツ・・・マック・ザ・ナイフはミコにとって忘れ難い懐かしの曲。

Ⅰ面は’67~’68、’70の曲。

Ⅱ面は’69の曲が主体。

Ⅲ面は古い懐かしい曲。・・・パンチのある声でとても新鮮です。

Ⅳ面はミコの本領を発揮したジャズ・ナンバーの傑作集です。~ライナー・ノーツより

盤面毎に趣向が違っているので楽しめます。彼女のアルバムはやっぱり捨てられませんね。

弘田三枝子’70 ポピュラー・ビッグ・ヒッツ!(’70発売 日本コロムビア ¥1,500.-)

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バックは佐藤允彦とオール・スターズです。

Ⅰ 1.輝く星座 2.人形の家 3.ジョンとヨーコのバラード 4.ふたりのシーズン 5.ラヴ・ミー・トゥナイト 6.西暦2525年

Ⅱ 1.雨 2.愛の聖書 3.ゲット・バック 4.シッティング・オン・ザ・ドック・オブ・ベイ 5.ホンキー・トンク・ウイメン 6.グッドバイ

弘田三枝子について~いソノてルヲ談

1.彼女が輝かしい成果を収めつつあるのも歌手として抜群の資質を持っていたことで将来を注目された結果、いわゆる歌謡界次元でのヒットに恵まれなかった点も伏線としてあった。

2.彼女が極めて音楽に対して前向きの姿勢を保持していたこと。多くのポピュラー歌手がジャズが好きと言いながら支離滅裂になる傾向がある中、唯一ジャズ信奉の姿勢を変えなかった。

エピソードで言うならセロニアス・モンクの楽屋を訪ね、エラ・フィッツジェラルドの養女に乞われ、ついにはレイ・ブラウンのベース伴奏でスキャットを歌い、他人の真似の出来ぬ修行に励んだ彼女をしばしば垣間見ていた。

その中での成果としてニュー・ポート・ジャズ・フェスティバルに単身日本から初出場を体験。ビリー・テイラー・トリオの伴奏も一流ジャズ・ヴォーカリストとしての待遇です。

以後彼女の登龍が嚆矢となり原信夫とシャープス・エンド・フラッツあるいは渡辺貞夫と言った人たちがニュー・ポート・ジャズ・フェスティバル出演の夢を果たしたのでした。

その後彼女の音楽路線は黒人音楽の追及でした。いわゆるリズム・エンド・ブルースと言うカテゴリーの音楽です。

その後、美への追及で美しく変貌し眼を楽しませてくれたりもしましたがこのアルバムでは彼女の歌の実力をじっくり味わって頂きたい、と結んでいます。

なお伴奏の佐藤允彦は日本のジャズ界の新しきリーダーとして日本のジャズに新風を送りつつある名手です。

このアルバムのミコの引き立て役としては最高の適任者と考えます。

輝く星座はヒフス・ディメンションの代表作

人形の家は彼女のオリジナルですが、ここではわざわざ英訳詩を歌っていますので外国のポップスのようにも聴こえる。

ジョンとヨーコのバラードはビートルズのモノが当然有名ですが彼女の歌いっぷりにも感心します。

ふたりのシーズンはゾムビーズのヒット曲。ミコの吐く息が伝わって来て一寸セクシーです。

ラヴ・ミー・トゥナイトはトム・ジョーンズのヒット曲。彼女は女性歌手のレパートリーよりも男性歌手のヒットを良く消化しています。実力がないと中々出来ないことです。

西暦2525年はゼーガーとエバンスのヒット曲です。

雨はジリオラ・チンクエッティのヒット曲。原曲よりややテンポを早くしたアレンジ。

愛の聖書を自作自演している歌手は男性ですがオーディオ的モノ・セックスの代表作として女性が歌っているような感じだそうです。

彼女の解釈は女性的ですが原曲以上の魅力を感じさせます。

ゲット・バックはビートルズの曲。彼女は極めて格調高いロックとして歌い上げている。

シッティング・オン・ザ・ドック・オブ・ベイはオーティス・レディングのヒット曲。

彼女は原曲の粘っこいフィーリングをさらりとしたものに変えて歌っています。しみじみした味わいです。

ホンキー・トンク・ウイメンはローリング・ストーンズのヒット曲。因みにホンキー・トンクとは居酒屋のことです。

ここでは彼女の得意なシャウトが充分聴かれます。

グッドバイはメリー・ホプキンスのヒット曲。クローサーは別れの曲です~ライナー・ノーツ。

中々良いです。

↑にもあるように「人形の家」は英語で歌っていて面白い趣向です。・・・他にあるのかな??

バックを固めている佐藤允彦とオール・スターズも中々良い演奏で弘田をサポートしています。

ふたりのシーズンはミコの吐く息が伝わって艶めかしくぞくぞくっとしますね。

雨は好きな曲で彼女の歌い方(アップテンポ)も中々良いです。

愛の聖書は知らない曲ですが彼女の歌はこのアルバムの中でも一番良い感じに仕上がっているように思います。

不思議な世界を感じさせます。

ゲット・バックはスピード感あって良い歌いっぷりです。

シッティング・オン・ザ・ドック・オブ・ベイは昔良く聴きました。

さらりと歌い上げて雰囲気が違ってこれまた良いですね。

GOOD OLD DAYS FOREVER(’74発売 日本コロムビア ¥2,200.-)

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Ⅰ 1.ONE BOY 2.BOBBY’S GIRL(ボビーに首ったけ) 3.RUNAWAY(悲しき街角) 4.PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER(肩にほほをうずめて) 5.RHYTHM OF THE RAIN(悲しき雨音) 6.ON LONDON BRIDGE(霧のロンドン・ブリッジ)

Ⅱ 1.THE DIARY(恋の日記) 2.JOHNNY GETS ANGRY(内気なジョニー) 3.FOOTSTEPS(悲しき足音) 4.JOHNNY ANGEL 5.BE MY BABY 6.AMONG MY SOUVENIRS(想い出の中に)

このアルバムがただ単に古い歌を歌うと言った他の企画等に比べ魅力のあるものとなったのは彼女がデビューして一番吸収欲の強い時期に接した曲たちであり、且つ彼女自身当時の社会背景も知っておりその上で歌いこむことが出来たことが大きな要因と言えよう。

YESTERDAY ONCE MORE(’74発売 日本コロムビア ¥2,200.-)このアルバムと同タイトルで4CH盤も出ているのですね。

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Ⅰ 1.YESTERDAY ONCE MORE 2.KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG(やさしく歌って) 3.HALF・BREED 4.FOR THE PEACE OF ALL MANKIND(落葉のコンチェルト) 5.TOUCH ME IN THE MORNING

Ⅱ 1.YOU’RE SO VAIN(うつろな愛) 2.GET DOWN 3.SING 4.SUPERSTITION(迷信) 5.IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA(カリフォルニアの青い空)

弘田はこづらにくい歌手だ。それは初めから悪びれず、自信を持って堂々と歌っていた。その意味でこづらにくい歌手だと言ったのである。

こうした感想を持った歌手には他に美空ひばりがいる。ひばりも小さい頃からハラハラさせるような歌い方はしなかった。ただ弘田は何でもこなせる器用さが却って進む方向を不安定なものにしてしまった嫌いはある~ライナー・ノーツ。

YESTERDAY ONCE MOREはカーペンターズの’73の大ヒット。

三枝子の低音がもの凄く魅力を発揮している。

KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG(やさしく歌って)はロバータ・フラックの歌で’73のヒット曲。

低音の色気と高音の若さが上手い配合で表現されている。

HALF・BREED、シェールの歌で’73のヒット。

FOR THE PEACE OF ALL MANKIND(落葉のコンチェルト)はアルバート・ハモンドの’73のヒット。

TOUCH ME IN THE MORNINGはダイアナ・ロスの’73のヒット。

YOU’RE SO VAIN(うつろな愛)はカーリー・サイモンの曲。

’72から人気を上げて来たアルバム「ノー・シークレッツ」の収録曲。エレキギターが悲しい叫びを上げて三枝子の歌を盛り上げている。

GET DOWNはギルバート・オサリバンの’73のヒット。

SINGはカーペンターズの’73のヒット。三枝子の低い歌声が生かされている。

SUPERSTITION(迷信)はスティービー・ワンダーの’73のヒット。

IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA(カリフォルニアの青い空)はアルバート・ハモンドの’73のヒット。

弘田の歌唱力は当時美空ひばりを抜いて「日本女性歌手史上最高の歌唱力」とも評されていた。~ネット・・・これは知りませんでした。

THE NEARNESS OF YOU(’74発売 日本コロムビア ¥2,200.-)

A 1.THE NEARNESS OF YOU 2.RUBY 3.MANHATTAN 4.BUT NOT FOR ME 5.FOOLS RUSH IN 

B 1.THE SECOND TIME AROUND 2.LAURA 3.MY MELANCHOLY BABY ON A SLOW BOAT TO CHINA 4.BEWITCHED(魅惑のとりこ) 5.CALL ME IRRESPONSIBLE

これはイージー・リスニング・ジャズを歌ったアルバムです。全曲英語で歌っています。

声量もあるし、奔放に歌い上げる歌唱力は大したものです。

私の好きな唄(’75発売  日本コロムビア ¥2,200.-)

Ⅰ 1.帰り来ぬ青春 2.別れの時まで 3.マイ・ボーイ 4.マスカレード 5.愛のテレフォン 6.追憶 

Ⅱ 1.レット・イット・ビー・ミー 2.落葉のコンチェルト 3.哀しみのソレアード 4.信じさせて 5.アイ・ビリーブ 6.ラブ 

こちらは全曲日本語で歌っています。顔は整形後なので以前の顔を知っているものには馴染めませんね。

MIKO BEST JAZZ ALBUM(’75.11 日本コロムビア ¥2,200.-)

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Ⅰ 1.UP JUMPED SPRING 2.SATIN DOLL 3.BUT NOT FOR ME 4.THE SECOND TIME AROUND 5. WANT TO BE HAPPY

Ⅱ 1.THE NEARNESS OF YOU 2.RUBY 3.POOR BUTTERFLY 4.BODY AND SOUL 

これはTHE NEARNESS OF YOUをベースにしたベスト盤でしょうか。ジャケット裏面の写真はこれと同じです。

MIEKO HIROTA 76/45(’80 東芝EMI 企画 第一家庭電器)

 

 

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これは45回転盤です。

当時この第一家庭電器の企画の「DAM」シリーズって結構買いました。と言うことで調べてみましたらこれを含めて4枚ありました。因みにこのアルバムは8作目で私の中ではラストです。

Ⅰ 1.YOU ARE THE SUNSHINE OF MY LIFE 2.FLYING HOME 3.JOJO

Ⅱ 1.THE SHADOW OF YOUR SMILE 2.MY FUNNY VALENTINE 3.MY LOVE

しかし今DAMと言ったら第一興商のことだとか。そう第一家庭電器は既に存在しないのですねー。

ヴォーカルは低域の厚みのある豊かな声量と抜群のパンチ力ある歌声など並みの歌手では得られない声の良さを味わって下さい。

またディスクには従来からのグルーブガード付ディスクよりターンテーブルとの密着性を大幅にアップした全面平らなフラット・ディスクを使用し、最新プレス技術も駆使しました~解説より。

YOU ARE THE SUNSHINE OF MY LIFEはスティービー・ワンダーの曲。

FLYING HOMEはベニー・グッドマンがライオネル・ハンプトンと組んで’30に作った曲。

JOJOはボズ・スキャッグスのアルバムに収録された曲。

THE SHADOW OF YOUR SMILEは’65公開の映画「いそしぎ」の主題歌。

MY FUNNY VALENTINE、オリジナルは’37のミュージカル作品の為に作られ、今日スタンダードとして広く親しまれるようになったのは’50代に入ってからである。

MY LOVEはマッカートニーの’73発表のアルバム収録曲。~曲目解説はかまち潤。

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