レコードの美学・・・備忘録
これは’08.3.30にアップしたモノの要約です。
第一版は’90.7に発行されました。CDが’82に生まれてレコードの衰退がはっきりした時期(私の持っている通常盤の最晩年の発売は’87乃至は’88(一部重量盤等で発売されたものは除く)です。
私も今考えると恥ずかしいですがこの頃からLPを聴かなくなったと思います。レコード製造が極端に減って来たので止むを得ない選択ではあったのですが...。
さてこの本は買ったは良いが内容は私などがすらすら読み進めるようなものではなく非常に難しいものです。
しかしながら私自身昨年の1月以降アナログ復帰して今正に遅い春を迎え、難しさの中にも楽しみ・喜びを感じながら日々過ごしているような状況になりましたので紹介する気になった次第です。
著者の細川周平氏は当時東京芸術大学の楽理科助手をされており、音楽関係の著書も多数出版されておられます。’55生まれの方ですから私より若い方です。本文が399ページに及ぶ本で私には辞典に思えてしまうような本です。
価格も専門書的なもの?で¥3,914.-(税込み)します。今思うと何で買ったのか良く分かりませんが今は逆に読んでみたい気分にさせられています。
今回は紹介を先にさせて頂くので内容は大雑把に目次の拾い読みの紹介になりますが気になる方は探されてみたら如何でしょうか。出版社は勁草社(けいそうしゃ)です。
それでは紹介します。この本は’88に著者が博士論文として提出され、翌年合格した「音楽における複製技術の諸問題ーレコードを中心に」に基づくものを出版に際し全面的に改稿したものです。
この本は大きく分けて3部に分かれています。
1レコードの考古学
2聴取と複製技術
3美的経験としてのレコード聴取
に分かれて夫々項目別に考察されています。
1レコードの考古学では
1・1エジソン以前
1・4第二次聴覚性
1・5ベルリナー:保存から反復へ
1・6電気録音:マイクロフォン
1・7ストコフスキー:PAとステレオへ
1・8素晴らしきテープ編集etc
2聴取と複製技術では
2・2コンサートと自律音楽
2・3アウラとフェティシズム
2・3・1ベンヤミンのアウラの概念
2・3・2アドルノのアウラ批判
2・4永遠回帰と複製技術
2・5レコードにおける差異と反復etc
3美的経験としてのレコード聴取では
3・1機会性と経験
3・2効果の美学
3・3「サウンド」
3・4作品から経験へ
3・5ポピュラー音楽の方へ
となっています。
目次を見る限りでは所謂オーディオとは関わりのないもっと高尚なレベルでの考察のようです。従ってこれを要約して紹介するだけの能力は私にはありませんので帯に記された案内文で終わりたいと思います(;´Д`A ```。
~レコードを考えるとは、レコードを通して概念を鋳直すこと。レコードが回るように思考が回る。レコードの旋回運動をコピーするのではなくそれを耳で追いながら別の運動形態を創造していくこと~
この本を読みこなすことによってひょっとしたら今後レコードを初めCD等の媒体、そしてコンサートでの音楽の聴き方まで変わってくるかも...。
ネットで調べましたら今でも購入出来るようですね。お後が宜しいようで...。
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