A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(14)・・・備忘録
これは’08.8.7にアップしたモノの要約です。
今日紹介するのはDONALD BYRDです。
アルバムはFUEGO(’59.10.4録音)です。
Ⅰ 1.FUEGO 2.BUP A LOUP 3.FUNKY MAMA
Ⅱ 1.LOW LIFE 2.LAMENT 3.AMEN
メンバーはDONALD BYRD(tp)、JACKIE MCLEAN(as)、DUKE PEARSON(p)、DOUG WATKINS(b)、LEX HUMPHRIES(ds)です。
クリフォード・ブラウンが不慮の交通事故でこの世を去ったのは’56.6.26未明のことです。この時既にマイルスはスーパー・スターの座についていたものの、ブラウンの死でtpの世界には一種の空白が生まれてしまった。
その隙間を埋める存在が彼の死と入れ替わるように頭角を表して来たドナルドとモーガンだ。この二人にその後デビューを果たすフレディ・ハバードを加えた3人が”ポスト”クリフォード・ブラウンとして脚光を浴びるようになったのである。
中でも真っ先に注目を集める存在がモーガンだった。暫し遅れて評判を獲得したのがバードである。バードはファンキージャズ路線で人気を高めていく。
このアルバムはファンキージャズの傑作として世に知られているが、モード的なアプローチもあれば本格的なハードバップもあると言った多彩な内容がこの作品の本質である。
彼は’63にはパリ、’65にはスイスで勉強し、ジャズ界では珍しいほどの学究の徒であった。後年にはコロンビア大学から博士号を授与されている。その後にはハワード大学で音楽学部の主任教授に就任。
この大学での教え子と組んで’74に吹き込んだ「ブラック・バード」はブルーノート最大のヒットを記録(幸いにして私はこのアルバムはオリジナルを買って当時楽しみました。聴き過ぎて痛んでいるかも)。
マイルスほど目立ちはしなかったものの20代前半から常にジャズの先端部分に関わってきた。このアルバムは彼のキャリアを代表する1枚である。
FUEGOはスペイン語で炎を意味する。ファンキージャズの名盤と呼ばれている。
BUP A LOUPはバードの作品。スタッカートを効果的に用いたもので彼なりのビ・バップを追及したものだろう。この中でのバードのソロは’50年代前半のマイルスのプレスティッジでの演奏を思い起こさせるものです。
FUNKY MAMAはスロー・ブルースです。聴きどころは中盤から徐々に盛り上がりを示し、演奏に力強さを盛り込んでいく件だ。
LOW LIFEはちょっとブルース・マーチを思わせるメロディとリズムがこの曲の魅力です。このアルバムの人気を高めている要素の一つがこの曲にあることは間違いない。
LAMENTはバードの作品でJ.J.ジョンソンが書いた曲とは同名異曲です。幻想的なムードに溢れたメロディは中々に魅力的である。
AMENはこれぞ4曲目のロウ・ライフと共に本作の人気を決定付けたヒット・チューンである。繰り返しの部分が所謂”コール&レスポンス”形式になっている~ライナー・ノーツ。
このアルバムのバードと’74のバードは全く違う印象です。15年の時を遡って聴くこのアルバムのバードは非常に新鮮です。本当に勉強になりますね。
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