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2010年10月19日 (火)

MILES DAVISのアルバム(3)・・・備忘録

今日紹介するのはMILES DAVISです。2枚あります。

それでは先ず最初はWALKIN’(’54録音 日本ビクター ¥1,800.-)です。

Ⅰ 1.WALKIN’ 2.BLUE ’N BOOGIE

メンバーはマイル・ディビス(tp)、J.J.ジョンソン(tb)、ラッキー・トムソン(ts)、ホーレス・シルヴァー(p)、ケニー・クラーク(ds)です。

流石にライナーで解説されているようにWALKIN’は聴き応え充分です。このアルバムは元々モノラルだと思いますが、この日本盤はステレオ仕様になっています。仕様変更する意味があったのでしょうか。私はモノラルのままで充分だと思いますが...。

しかしそんなことはお構いなしにペットが良く歌っています。とてもグー~ですよ。

Ⅱ 1.SOLAR 2.YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS 3.LOVE ME OR LEAVE ME

メンバーはマイルス・ディビス(tp)、デヴィー・シルトクラウト(as)、パーシー・ヒース(b)、ホーレス・シルヴァー(p)、ケニー・クラーク(ds)です。

Ⅱ面もⅠ面に負けず劣らず好演揃いです。

このLPはこの年に録音されたものの中でも特別に色々な問題を含んだモダン・ジャズ史上最も重要なLPの一つなのです。

その理由と言うのがこの年の後半から55年に掛けて優れたモダン・ジャズメンが申し合わせたように新しいコンボを作って来るべきイースト・コーストジャズ全盛期の基礎を作るのですが、その直前に当るのがこの「WALKIN’」を初めとする54年録音の数々のLPなのです。

この一連のLPを聴くことによって新しいモダン・ジャズの夜明けを知ることが出来るのです。

しかもこの豪華な顔ぶれは以後実現不可能となるのです。その理由は皆それぞれ自分達の独立した仕事に入って行き、離れ離れになってしまうからなのです。

このアルバムはモダン・ジャズ史上に輝く最上の演奏の一つに挙げて言る~ライナー・ノーツ。

WALKIN’はモダン・ジャズのスタンダードとしてしばしば演奏されますが、このデイビスの演奏を超えるほどの名演は現われていません。最高のモダン・ジャズと言っても過言ではない。

BLUE ’N BOOGIEはディジイ・ガレスビーの作曲のアップ・テンポの曲です。これもWALKIN’に劣らず傑出したものと言える。

SOLARはデイビスの自作曲です。デイビスのモダンで豊かなイマジネイションに満ちたソロは誠に印象的です。

YOU DON’T KNOW WHAT LOVE ISは美しいバラードで後年好んで採り上げるバラードのこれはそのはしりでしょう。これはデイビスとしても数少ない優れた演奏でもある。

LOVE ME OR LEAVE MEの中でのクラークのブラッシュ・ワークは水際立った素晴らしさがあります~ライナー・ノーツ。

次はSTEAMIN’(’56録音 ’76再発 ビクター )です。

メンバーはマイルス・デイビス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)です。

A 1.SURREY WITH THE FRINGE ON TOP 2.SALT PEANUTS 3.SOMETHING I DREAMED LAST NIGHT 

B 1.DIANE 2.WELL YOU NEEDN’T 3.WHEN I FALL IN LOVE

’56.5.11と10.26の二日間でデイビスは実に25曲、LPにして4枚分の録音を敢行した。全てワン・テイク。

しかも結果後々まで語り継がれるような好演揃いとなった。

何故このような強行録音をしたかと言うとこの後CBSへの移籍が決まっており、しかもこの時点でCBSでLP1枚分(ラウンド・アバウト・ミッドナイト)の録音を済ませており、これを早く世に出したかった、からと言われている。

がプレスティッジとの契約期間(1年)内の4枚のアルバム作成は終わったけれど残りの契約期間がどうなったかは知らないと~ライナ・ノーツ。

所謂マラソン・セッションによる25曲が「リラクシン」「クッキン」「ワーキン」「スティーミン」に配分されて世に出た訳です。

CBSにデイビスを持っていかれたプレスティッジはこれらの4部作を1年に1枚の割合で発売し、全部を発売し終わった時にはコルトレーンはデイビスの元を去っていたと言う訳です。

もう一つこれらの曲は全てクインテットの演奏ではなくコルトレーンが抜けたカルテットの演奏もあるのですね(内容は省略、聴けば分かる)。

SURREY WITH THE FRINGE ON TOPはミュージカル挿入曲です。この時期の彼(デイビス)は凡百の歌手よりも秀でた歌い手であった。

SALT PEANUTSはガレスビーとクラークがエラのバンド時代に合作したバップ曲。

SOMETHING I DREAMED LAST NIGHTは元は歌曲。デイビスは見事に歌手の役割を演じる。デイビスの詩情に太刀打ち出来るのはフランク・シナトラだけではないか。

DIANEは映画の主題歌。デイビスはニュー・クインテット結成後美しい旋律の歌曲を演奏することに力を注いだ。このトラックでのデイビスも素晴らしいの一語である。

WELL YOU NEEDN’Tはモンクの挑戦的な名曲。

WHEN I FALL IN LOVEは映画の主題歌で、甘いバラードである。デイビスは原メロディーにさりげない音の装飾を施すことによってそのスリルを更に高めるのである。このトラックではそんなデイビスを充分に味わうことが出来る~ライナー・ノーツ。

ライナー氏の解説のように本当に良く歌っています。本当にワン・テイクで録ったのかい、って確認したくなる内容ですね。ノリは最高です。楽しいアルバムです。

もう1枚はYOU’RE UNDER ARREST(’85 CBS)です。

ジャケットがかっこ良いですね。

メンバーは曲ごとに違うようですので主だったところを書き上げておきます。

MILES DAVISの他はBOB BERG(ss)、AL FOSTER(ds)、DARRYL JONES(b)、JOHN SCOFIELD(g)と言ったところです。

Ⅰ 1.ONE PHONE CALL/STREET SCENES 2.HUMAN NATURE 3.SOMETHING’S ON YOUR MIND 4.MS.MORRISINE 5.KATIA PRELUDE

Ⅱ 1.KATIA 2.TIME AFTER TIME 3.YOU’RE UNDER ARREST 4.MEDDLEY:JEAN PIERRE/YOU’RE UNDER ARREST/THEN THERE WERE NONE

このアルバムにはスティングがナレーションでゲスト参加し、マイケル・ジャクソンやシンディ・ローパーのカバーも収録~ネット。

これはオリジで、且つライナーもありません、あっても読めないですが

従いまして感想のみのコメントです。

流石はマイルス晩年の作品ですね。30年位前とは随分違います。でも私は今聴いて矢張り同じ人の演奏だ、と思います。音楽と言う太い幹の中に一本同じ筋が通っているように感じますね。

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