オーディオ中級編(下)~1980年代(7)
この頃ソノボックスのSX-8シリーズを順次バージョンアップして貰いました。
そして私も一枚かんだ線材の開発をして貰い、某線材メーカーにオーダーして貰いました。
最初から思った通りのモノは当然出来ません。何度かの試作を経て完成しました。
この30年位前に完成したケーブルを私は今でも愛用しています。全く変える必要を感じないからです。
線材の基本部分は工場で作られますがそれを加工して使うにはその後に物凄い手間暇を掛ける必要があります。
今は絶対やりたくない作業です。普通の線材の加工とは比較にならない位時間と細かい作業を必要とする為です(剥いて切って半田付けをする前の工程が大変なのです(爆))。
それをやって始めて機器間の結線が出来るのです。
私は結果的には線材の略半分の量を購入しました。半分はソノボックスの社長が持っています(今は故人となられましたのでその後どうなったか分かりません)。
この時期を私はコード元年と呼んでいます(今でこそケーブルと言う呼び方が一般的になっていますが当時はコードが普通でした)。
実はこのコードが出来たことで当時使っていたアンプ等の配線にまで手を突っ込むことになったのでした。
こんな面倒なことは誰も請け負ってくれません。私は夜な夜な寝るのを惜しんで作業に没頭しました(一応仕事もちゃんとやっていた積りです)。
今考えると狂気の沙汰としか思えません。
でもやっている時はその完成の姿を想い描きとても充実した時間を過ごすことが出来ました。
その後購入したアンプ等を考えると一体何台内部配線の改造処理をしたのでしょうか。
ざっと見ても両手両足の指の本数よりも多い台数です。
まぁ、こんなバカげたことが今何の役に立っているかと問われれば答えは一つ。今はやり続ける必要がなくなった、と言うことでしょうか(;´Д`A ```。
これも経験をしたからこその解答ですが...。
私の知る限りマニアにも色んな種類の人がいます。
それはそれで本人が納得してそれをやることに喜びを見出しているので別に構わないのですが、オーディオマニアって音楽を聴きたいのか、機械等モノ弄りをしたいのかホンとどっちなのでしょうね(爆)。
私は既に機械等モノ弄りは卒業、と言うか自分の能力の限界を知ったのでさっさとこの世界から撤退しましたので今は楽しく音楽を聴くことに集中出来ています。
理屈は捏ねれば幾らでも捏ねられますがそう言うことが好きなあなたもそろそろ腰を落ち着けてじっくり音楽を聴きませんか。
システムは飽く迄も音楽を聴く為の手段ですし、専門家でも普遍的なモノが作れない分野です。
良い環境を目指して機械等モノ弄りは卒業した方が余程幸せに近付くと思いますが如何でしょうか。
私は木を見て森を見ず、の方たちをKM症候群と呼んでいます。是非大局的に物事を見る眼を養うようにして行きましょう。大きなお世話でした。
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