標題の件は、只今壮大な実験?を行っているotoさんの改修工事を参考に我が家を含め今までの経験等を勘案して纏めてみました。
良いオーディオルームの条件
全てをやり遂げる為には土地探しから始めなくてはいけませんのでここではそこは割愛させて頂きます。
Ⅰ.オーディオルーム本体
1.平屋建てにすること。
2.傾斜天井とすること。
3.部屋は内部屋スタイルとし、オーディオルーム内は斜め壁とする。
4.フロントは垂直壁とし、リアは斜め壁とする。若しくは上半分オープンスペースに出来るようであれば外部屋でフロントと平行面がなくなれば良い。
5.天井高は3m~5mは欲しい(構造上問題なければ更に高くて良いが照明等の問題もあります)。
6.広さは床面積勘案で20~30畳程度
Ⅱ.基礎(内部屋方式の場合)
1.布基礎構造とし、外枠の内側にも同様の基礎を設ける(二重布基礎+布基礎)。
外基礎には土台・壁が乗る。内基礎には大引き・床が乗る、更には床は壁と縁切りする。
2.内側の基礎には縦横の基礎が組み合わさった(クロス構造)スタイルとする。
3.コンクリートベタ基礎が望ましい(床を強固に支える為に・・・ベタにしても殆んど壁に伝わらないことが判明)。
4.床下の反射が気になるのであれば砕石(大き目)や砂を入れれば良い。
Ⅲ.使用木材
1.土台・大引き・柱は無垢材とする。
集成材は使用している接着剤の耐用年数等未だ施工例の年数が浅く実際の評価が確定していない。
集成材は無垢材に比べ、調湿能力が低く更には材そのものの収縮が均一でない為早晩剥離する危険がある。
剥離が始まればどうなるか、特に柱で考えれば支える強度は限りなく「ゼロ」になり、建物そのものが崩壊する。
集成材は元々勿体ない精神で始まったモノで特別優れた素材ではない。謂わば心材を取った後の辺材(=屑)の再利用から考え出されたモノ。
辺材は年齢の若い層です。虫も付き易いし、燃え易い。
昔の家が火災に遭った時、柱が燃え尽きないで残っていますね。つまり周辺は燃えても心材は残る=丈夫と言うことです。
集成材は全て燃え尽きてしまう危険性がある。勿論火災になったらこの差はどうでも良いことかも知れませんが、違いを示したまでです。
接着材に付いてはテストでどの程度の耐久性が実証されたかは存じませんが、実使用例として検証するには歴史が浅過ぎる。
一番の心配事項は人間の考えたことですから普遍的なモノではないと言うことです(どのような指針・基準であれ、しょっちゅう修正されていることは周知の事実です)。
例えば耐震基準についても実際の地震被害に遭って見直しをしたりすることは日常的に行われている。
つまり、「だから安心」などと言うデータはないのです。飽く迄も目安に過ぎない。信頼し過ぎないことです。
基準を満たした建築でも倒壊した場合、誰も責任は取ってくれませんよ、それが日本の役人の本質(=逃げの体質)なのです。
長く安心して使用したいのであればイニシャルコストが少々高くついても肝心要の部分は充分自然乾燥させた無垢材を使用すべきです(乾燥が短い無垢材は暴れるのでX)。
そして材は日本の気候風土を考えて国産を使用すべき。更には出来るだけ地産地消を旨とすべき。
ここまでやっても絶対はありません。
集成材に付いて敢えて良い点を上げるとすれば捩じれ、曲げ等が少ないと言うことでしょうが、この辺をどう判断するかはあなた次第です。
Ⅳ.大引きと床
1.大引きは4寸角材を出来れば狭い間隔で横に渡す。勿論無垢材です。コストを抑えたければフロント側だけでもこのようにしたい。
2.床材は15mm以上をシングル使用とする。
間違ってもコンパネ等と貼り合わせ使用はしないこと。間違いなく早晩剥がれてブカブカして来ます。当然低音がバタバタして音楽にならない。
3.余り厚いモノを希望してもそう言う製品は市場にないので結局↑と同じ訳で早晩剥離する恐れあり。一体成型の製品がベストである。
4.内壁と天井は反射する素材でしっかりしていればOK。叩いてコツコツと言う音がするように。
内・外壁内と天井・床下はセルローズファイバーで断熱する。防音効果も充分あります。
次はどうやっても良い音になりそうにない環境です。
1.大掛かりな「SP壁埋め込み」方式
現在は住宅の問題もあって主流ではないと思いますが、これは何の根拠もないまま、「重厚長大型」のゴージャス好みで謂わば思い付きだけでやってしまったと言うしかない。つまり聴きながら調整も何も出来ない最悪パターン。
オーディオはチューニング(含むセッティング)することで雰囲気が激変する微妙なモノです。これは結果として最大の自己満足にしか過ぎない。
2.ガチガチ方式
所謂コンクリで固めた部屋。何も言うことがありません。
3.地下室
同上、です。
4.天井の低い部屋・・・所謂通常の部屋程度(240~250cm程度)ではXです。
5.左右不整形な部屋
イ.マンションに多い片方が廊下から玄関へ繋がっていて片方は窓、と言った部屋。(昔の東京の我が家)
ロ.左右がどちらかに片流れとなっている部屋。
イ.ロ.とも空気層の多い方へ音は流れますので左右アンバランスとなります。
6.モニタールーム的発想の部屋
用途違いです。音楽は楽しめません。
その他枚挙に暇がない位ありますが、チューニングによって多少アジャストは可能ではあるけれども本質的な改善は期待出来ません。
尤もオーナーの求める満足度合いによります。
次は出来るだけローコストでと思いの方へ
建物は「サーロジックのキットルーム」がお薦めです。
ただし、飽く迄もキットなのでそれ以上の期待は出来ない。それが嫌なら、失敗覚悟でご自身のアイデアで建てるしかないですね。
しかも集成材使用なので孫子までと言う様な長期使用を考えておられる方にはお薦め出来ません。
それ以上に
他の業者ではノウハウ自体がないので何にも解決出来ません。
ましてや「石井式」などと言うモノは何も考えられていませんよ。シミュレーション遊びをしているだけです。シミュレーションで片付くほどこの趣味は甘くないです。事実完成後更に村田さんにチューニング依頼をしている事例があるほどです。
石井氏本人が完成後セッティングを初め他人任せなのはどう言うことでしょうか。本人にはそう言う能力がないと言うことを自ら宣言しているのと同じですよね。
又、今盛んに宣伝されている外張り断熱方式は最低の方式です(ハイコスト・ハイリスクの建物です)。
何であんなのが大手を振って罷り通っているのか、これもよー分かりません。
これに関係する「官・学・業者・PRに荷担している著名人」は言うなれば詐欺罪の共犯者・同罪です。
以前のブログで紹介したことがありますが、断熱材「セルローズファイバー」を利用した方が数段ローコストかつ人体に優しいですよ。
我が家でも以前検討し、Z工法の山本順三氏に直接連絡したことがありますが我が家の財政事情悪化により実現出来てはいません...。
優先順位は最後尾位ですが機会があればやってみたい方法です。
こう言うことが分かって来るとオーディオルームは矢張り一筋縄ではいきません。
安く楽しむ、を優先するなら「山の中」の極平凡な一軒家が「下手の考え、休むに似たり」で宜しいのではないでしょうか。
つまり考えれば考えるほどやることが多くなって、それにつれてコストが嵩む為、個人の力では恐らく理想のモノは出来ません。と言って烏合の衆の寄り合い所帯では船頭多くして何とかになりそう...。
部屋とかシステムは中庸でやりたいことが存分に出来る環境を得ることの方がメリットが多いと思いました。
と言うことで↑の条件とは相当乖離していますが大筋で我が家は60点台の及第点を与えても良いのではと思えるようになりました。・・・これが究極の自己満足ですね。
人と比較しなければ良いので気が楽です。
以上私の独断ですので判断は皆さまにお任せします。
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