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2012年3月 3日 (土)

還暦、パン職人に転身/解雇、職安通いの末に~河北新報

昨夜のニュースです。震災後厳しい環境に置かれる沢山の方に希望の灯りがともるチョッと嬉しいニュースです。

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石巻市の内陸部にあった自宅は東日本大震災の激しい揺れで倒壊した。

更地となった自宅跡地に寒風が舞う。

伊藤正和さん(59)は、この地にパン工房を構える。

オープンは5月8日、60回目の誕生日にするつもりだ。

<接客のプロ>

「まさか自分がパン職人を目指そうとは思いも寄らなかった」
昨年の今ごろは、宮城県女川町にある旅館の支配人だった。

町内のホテルでも支配人を務めた接客のプロ。

震災直後、旅館は住民300人以上を受け入れた。家族を亡くし、失意のどん底にいる人たちの避難生活を支えた。

3月末に解雇を言い渡された。

公共職業安定所に通ったが、「求人はだいたい60歳まで。年齢がぎりぎりの私にまともな就職先はない」と諦めかけた。

職安通いも6回目を数えた昨年夏、1枚のパンフレットが目に入った。

国の緊急人材育成支援事業として、パン職人の養成講座への参加を呼び掛けていた。

旅館業へ復帰する望みを捨てきれずにいた。申し込んだのは「旅館の朝食にパンを出したら、喜ばれるかもしれない」と考えたからだ。

職業訓練の場所は、食品製造・フードコンサルタント「ファミリア」(仙台市)が運営するパン工房「ルタンリッシュ」。

9月から4カ月間、朝6時の石巻発のバスに乗り、県庁近くの店に通った。

作るのは「カンパーニュ」という耳慣れないパンだった。フランスの伝統的な田舎パンで、材料は小麦、塩、水、天然酵母のみ。かじってみた。

パリッと外側が弾けた。小麦粉の香りが鼻に抜け、生地がほどけた。経験したことのない味が広がっていく。

「口の中にフランスの風が吹いています」。思わず口にすると、周りにいた職人やほかの受講生が体を揺らして笑った。

素材を生かしたシンプルなパンは、オリーブオイルに漬けて食べると別物になった。ハーブを交ぜて焼き上げ、料理に合わせることもできる。いつの間にか、パンの魅力を熱く、客に語り掛けていた。

<ときめく心>

「パンの秘密や文化をもっと知りたい。お客さんに伝えたい」と思った瞬間、自分がわくわくしていることに気付いた。

ホテルの支配人だったときの記憶がよみがえった。

早朝、朝日の映える万石浦を眺めて時間が止まったように感じた。この光景、感動を宿泊客に見せたい。そう思ったときと同じだった。

訓練を終え、旅館への未練は消えた。

「生かされている」と感じている。講座への参加をためらっているとき、妻の浩美さん(50)が「行ってきたら」と背中を押してくれた。

パン工房には熱心に教えてくれる職人がいた。幾つかの救いの手があって、再起を図る今の自分がいる。

「はつらつと生きていることを見せるのも恩返し。パン職人として最善の人生を歩みたい」
そう言う伊藤さんに、浩美さんが合いの手を入れた。

「還暦の再出発だから、店の服装は赤い帽子に赤いTシャツにしましょうか?」

   ◇

東日本大震災の発生から間もなく1年となる。

震災は多くの人生を変えた。

家族や自宅、職を失い、古里が消えた中で、どう歩んだらいいのか。震災は、社会で活躍していた人たちに、岐路を突きつけ、価値観の見直しも迫った。

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困難を乗り越え、年齢を乗り越え手に職を付ける。

誰にでも出来るコトではないけれど伊藤さんの姿勢を見て俺も...私も...もうチョッと頑張ってみようと言う人が続いてくれれば良いですね。

幾つになってもときめき・わくわくしている心を持っている限り再起は出来る、伊藤さんはそれを身を以て教えてくれました。

失ったモノは多くて大変だったでしょうけれどその気持ちがあれば必ず成功します。

私が61歳目前で解雇に遭った時は目の前が真っ暗になり伊藤さんのようにはポジティブになれずズルズルと萎えた気持ちを長いこと引き摺りました。そこが大違いです。

頑張って下さい。応援しています。

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コメント

せせらぎさん、おはよ~。
>我が息子、ずぶの素人の趣味が商売に繋がっています。
素晴らしいことです。やる気が空転しないで上手く回転し、開店に漕ぎ着けた。
中々出来ることではありません。
伊藤さんもそしてせせらぎさんの息子さんにもエールを送ります。フレー、フレー、応援してま~す。
>お尻の筋肉が痛〜い。
ハハハ...。私が通っている診療所に飾ってありました。痛いのは生きている証拠だと...。(爆)
無理しないでやりましょうね。

投稿: EVA | 2012年3月 4日 (日) 10時01分

こんばんはせせらぎです
伊藤さん!先祖は同じかしら・・・
奥様達がパン教室に通うのとは違うね。
ちなみに我が息子、ずぶの素人の趣味が商売に繋がっています。自己流で店を開く度胸にはらはらでした。
おいしいパン、可愛いケーキ・・・感心します。
伊藤さん、お店はきっと繁盛しますよ。私も応援します。
EVAさん!きょう私も庭を片付けましたが、おもい鉢を動かしたので、お尻の筋肉が痛〜い。

投稿: せせらぎ | 2012年3月 3日 (土) 22時44分

takeotさん、今晩は。
頑張っている人、いるんですね。
遠いですが開店は5月ですから機会があれば是非買って上げて下さい。
私は気持だけでも美味しく頂きたいと思います。

投稿: EVA | 2012年3月 3日 (土) 20時26分

EVAさん今晩は!良いお話ですね!パンを買いにいってみたいですね!

投稿: takeot | 2012年3月 3日 (土) 20時18分

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