5/15復活したばかりの電音ギアドライブが3週間を経て大変貌を遂げました。
高解像度等ハイエンド的快感を超越しソフトのエキスを余すことなく引き出し闊達に音楽を演奏するドライブシステムに大化けしたのです。
これでやっと音楽をいつでも楽しく鑑賞出来る状態になりました。
このシステムでLPを演奏するとホント音楽に引き込まれます。
ここに至るまでの経緯を振り返ると
復活当日はステレオ・モノラル双方の音出しをし、無事再生可能なことを確認。
その後2日ばかりはステレオ再生を楽しみました。
チョコさんが来られてからはモノラル一辺倒で約2週間聴き続けた結果SPも相応に鍛えられLP12・CDを演奏してもその鳴りっぷりの変化が確認出来ました(ここまでは普通にオーディオ的レベルの楽しみ方の模索)。
そしてモノラル盤の室内探索が一巡した後再度ステレオ再生に戻してアッと驚く為五郎的変化を思い知らされたのです。
この段階で2週間以上電音ギアドライブを日々6時間以上演奏し続けた結果回転も滑らかになったようでDL-103Dで今まで聴いたことがないスケールの大きな包み込まれる音楽表現を味わったのです。
それが冒頭の「高解像度等ハイエンド的快感を超越しソフトのエキスを余すことなく引き出し闊達に音楽を演奏するドライブシステム」と言うことですがこの時点では未だ道程半ば過ぎ位でした。これが6/1のことです。
その後やったことがダイレクト接続からLINNのLINTO経由にしたことです。
これで更にぶっ飛びました。
笑いが止まらないと言うのはこう言うことですね。
DL-103DがLINNの音になったのです(変化度の差から推測するに単体のLINTOの方がAKURATE内臓のフォノイコよりグレードは上のように思いました)。
結果電音ギアドライブのドライブ能力分(エナジー)が上乗せされLINN単体では発揮し得ない強大なエナジーを持った音に変貌したのです。
この時点(6/3夜)で名実ともに我が家でのアナログの主役を張っていたLP12を追いやって電音ギアドライブが主役の座に躍り出たのです。

勿論DAC EMOCIONは元々LP12に次ぐ位置付けなのでこの電音ギアドライブの醸し出す深くて強力な味わいのある音にはとても歯が立ちません。
これがついに電音ギアドライブが我が家の入力系システムのトップに立った瞬間でした。
特徴的なことを纏めてみました。
1.音の出方
ギアドライブの特徴がそのまま音に出て低域の腰の座り方は特筆モノ。
カートリッジ CG25Diは電音ギアドライブと相俟ってエナジー溢れるぶっとくて熱いサウンドを聴かせてくれます。
この歳になって初めてモノラルの世界を聴くことになった訳だけれどとても新鮮かつ感激しました。
所謂ガツンと来る感じやゴリゴリ感は全うな再生をする限り普通に楽しめます。
私はこれを今まで欲していたのですがモノラルではいとも簡単に表現するのでいささか拍子抜けしました(汗)。
これがモノラルの実力であり、美味しいところなのだと実感しました。
この点は逆立ちしたってLP12(KANDID)やDAC EMOCIONでは出せません(やや上品になって質感が変わる)。
カートリッジDL-103Dは購入してから23年以上経っているので分解能とかはKANDIDとは同列に論じられませんがKANDIDに比べて良いところがあって盤面が少々悪い状態でも結構無難にトレースする等対応力が実に素晴らしい。
加えて包み込む奥行き感(前後)とフワ~っと(前後・左右・上方向に)広がる透明感が素晴らしい。中央はピシッと決まりその芯は分厚くて説得力ある音を形成している。
更に音楽表現のスケールが雄大でかつグルーヴ感・躍動感が半端ではなくまさに眼前で活き活きと演じている様を味合わせてくれます。
これはカートだけの問題ではなくWE(レプリカ)の重量級アームと電音ギアドライブのドライブパワーとも相俟ってなし得ているのではないかと推測しています...。
これは車に例えるならエンジンの差でしょうか(ドアを閉める際の音の差でも良いけれど)。
LP12を軽に例えると電音ギアドライブは普通車です。
車と同様(エンジンの)余裕の差は如何ともし難い。
その余裕の差が表現力・音色・佇まいの差となって現れています。
直前までMC型なのにダイレクトにフォノイコに繋いで音量は71%以上とKANDID比上げていましたがLINTOに繋いでも71%と同じです。
両機の出力電圧は0.25mvと0.4mvと言う様に差があるのですがプリレベルでは何故か変わらないのです。
質感がより緻密・濃密になって曲間のノイズは聴き取れなくなる程静寂さが際立って来ました。
遡って
最初は針圧も適当に2gにして掛けて聴いていたのですが重過ぎとDCアンプマニアさんからご指摘頂き調べて見たら103系は機種によって随分違うのですね。
おぼろげな記憶からアバウトに2gにしたのですが調べて見たらDCアンプマニアさんご指摘の通り1.5g±0.2gでした。
幸いにも2gで印を付けていたのでそこから後方へワッシャをずらすだけのまさにアナログ式スタイルで変更すると音が軽くシャープになり響きもフワ~と軽く広がり修正後の方が良いことは直ぐに分かりました。
このWE(レプリカ)アーム(原始的スタイル)には針圧調整とかインサイドフォースキャンセラーの機能はありません(汗)。
針圧も幅があるので軽くして良い感じになればそれで良しと言うことにしました。
針圧計がないので現状がどの程度かは分かりません(汗)。
そして6/3の夜、もうワンランクアップを目指して思い付いたのがこの掟破りとも言えそうなLINTOとの接続です(KANDIDとの接続を解除する訳なので勇気が要った)。
価格差を勘案すれば思い付かない組み合わせですね。
これをやったことで今までの状況が更に一変しまさにドライブパワーの差が如実に現れた一瞬でした。
怪物 電音ギアドライブ誕生の瞬間です。
2.音の特色
LP12をかつてのボクシング・ヘビー級のカシアス・クレイのように「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と例えるなら
電音ギアドライブは文句なしのヘビー級サウンド。まさにソニー・リストンのようだ(若い人はご存知ないでしょうね)。
もっと言えばあり得ない話ですがソニー・リストンがカシアス・クレイのフットワークを身に付けた感じです。こうなれば無敵でしょう。
低域がドス、ドスと心地良く軽く響き中域は分厚く高域は実に爽やかに軽くフワ~っと吹け上がってくれます(まさにピラミッドサウンド)。
音全体の印象は柔らかく深くて澄み切っています。
ドライブパワーのお陰でしょうか実に大らかに伸び伸びとゆったりとしているので包み込まれている感じになります。これがエンジンの差と言った所以です。
両者の個性は際立っているので切り替えて楽しめるのが何より嬉しいことです。
私の標榜する普段着オーディオとしては古民家風のどしっと地に足の着いた雰囲気を持っている年代物(推定年齢70歳?以上)の電音ギアドライブが奏でる音がまさに飾らずそのままの古民家・古武士然とした感じで好きです。
比べるとLP12が現代風で繊細・華奢で軽く感じられるのは否めない(良し悪しは別にして新旧の対比では良く見られる事例ですね)。
こればかりは軽薄短小化のモノ作りの限界でしょうか(汗)。
3.電源
LP12が専用電源からの給電かつ200Vですからノイズ対策上もバッチリなのに対し電音ギアドライブは一般の居住用100Vからの給電です。
23年前は勿論その後専用電源にする際も電音ギアドライブは使う予定がなく電源対策の対象外でしたので今更こればかりは仕方ありません(汗)。
現状何も不都合はありませんので今後専用電源にする予定はありません。
4.電音ギアドライブとの付き合い方
DL-103Dはリーズナブルなモノですが何と言ってもWE(レプリカ)アームに対応出来るようにヘッド部分を作っているので変更出来ない一代限りと言うことで大切に扱う必要があります(分解すれば出来るかも知れないが...)。
モノラル針のCG25Diは掛けるモノラル盤が少ないので出番が少ないかと思ったのですが聴いてみるととんでもなく良いのですね~。
少ないと言いつつもモノラル盤(’80代前半以前発売(含む再発))が101枚あったことは我ながら驚いていますし、嬉しい誤算です。
尤も全てお気に入りと言う訳ではなく今のところ68枚聴いて51枚はお気に入りとなりましたが後何枚上乗せ出来るかお楽しみと言ったところです。
それにしてもこの味を知ってしまうと元には戻れませんネ~(汗)。
これはMC型としてはゲインが高いのでダイレクトに使用しています。
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電音ギアドライブで聴く音楽はエナジーが物凄い為サウンドそのモノが実にゆったりとたゆたうように流れ別次元の世界に誘われます。
特にモノラル再生時のガツン・ゴリゴリが当たり前の世界は特筆モノと思っていたのですがモノラル演奏を2週間続けた結果SPも鍛えられたのかDL-103Dで演奏しても同様に凄味が感じられ、鳴りっぷりそのものが変わってしまいました。
こうなるとカートの問題だけではなくやはり電音ギアドライブのドライブパワーの凄さなのでしょうね。
現在は横一線から電音ギアドライブがグンと抜きん出た状態となりました。
まさかLP12を差し置いて電音ギアドライブが主役に躍り出るとはね~...夢にも思いませんでした。
所有枚数の多くが楽しめるのは間違いなく電音ギアドライブですからこれはホンと嬉しいです。
何と言ってもツインアーム仕様で、その上何れも盤状態に左右され難いカートなので...。
どちらにせよLP12とは対極の位置にあり、まさに適材適所、存分に持ち味を発揮してくれるので、目的に応じて使い分けて楽しめます。
時代で言うと’50~’80までが電音ギアドライブ、’70~’80年代の状態の良い盤がLP12、それ以降はCD主体です。
23年間眠っていたのを叩き起こされてフル稼働じゃいつパンクするか分かりませんが時間の多少に拘わらず電音ギアドライブが復活してその本領を発揮してくれている今に大満足・大感謝です。
23年前家を建てた時買った高い買いモノでしたが今となっては思い切って買って置いて良かった(汗)。
眠っていた時間が途轍もなく長かったので今回の復活~大変貌はまさに大きなゝ嬉しい誤算となりました(現時点では未だ底が見えていませんが)。
嬉しい誤算の最大の理由は
電音ギアドライブ復活に要したコストが僅かにCG25Di(中古)の取得コストで済んだからです...(両カートのフォノケーブル・中継プラグ・中継ケーブルは全て手持ちで間に合いました)。
追記1
結局私は高解像度のハイエンド的快感ではなく土着的な音楽に根差した音楽性を欲しているのだと思いました。
分析的な音楽を聴いても楽しくないけれど眼前で活き活きしている音楽を鑑賞出来ればそれに優るモノはない。
KANDIDやDAC EMOCIONのお陰でやっとそのことに気付かされました。目出度し、目出度し...。
と言うことで常用するのは電音ギアドライブでたまには高解像度・ハイエンド的なシステムも利用して土着的な音楽性の素晴らしさ・重要性を認識することは良いことだ~。
追記2
23年前電音ギアドライブを買った最大の理由は今を遡ること30年ほど前ファイナル・オーディオ・リサーチ社のVTT-1と言うパワーアンプで駆動する糸ドライブシステムを愛用していたことに起因しています。
最初ラックスの真空管ステレオアンプで駆動しその次は同モノラルアンプ、更にアルテックの1569Aと言う業務用のモノラル真空管アンプとステップアップし又何れも内部の配線ケーブルからコンデンサー・抵抗等々替えられるモノは全て自前で改造・変更しました。
特に抵抗は当時出始めたビシェイの高精度無誘導抵抗を沢山使いました(これは高かった(汗))。
この時にアナログプレーヤは駆動部分で大きく音が変わることを学びました。
だから後年LP12のあのヘラヘラ状態で奏でる音楽は真逆の状態だったのでとても新鮮でビックリさせられたモノです。
で、6年強経って電音ギアドライブがLINTOの協力を経て紡ぐ音がLP12システムの音を遥かに凌駕し主役の座のバトンタッチとなった訳です。
単体のカートは勿論KANDIDの方が段違いに優れていますが音はトータルでなんぼですからモーター(エンジン)から伝達されるパワーの差は如何ともし難いのです。
これでやっと30年前に実体験したモーター駆動力の差で音が変わることを再現出来ました。
こればかりは現代の軽薄短小化路線では逆立ちしたって敵いません。
<ご参考>
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