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2015年12月31日 (木)

SIC-MOS使用の1242Aと9018両DACの使用レポート

DACの使用レポートです。9018DACは優等生。1242DACは、SPのカテゴリー毎に、例えばビンテージ系と高解像度の現代SPで、相性が大きく変わる興味深い結果になりました。

◆1242DAC◆
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1242DACは、ビンテージ系のSPシステムと組み合わせると楽器の音に躍動感が出て
楽しさ溢れる音楽を奏でてくれます。我が家で聴いた第一印象とピッタリ符合します。紙コーン、シルクドーム、ホーンなど、ビンテージ系のSPにシャープなエッジを与えるDACとの総合評価です。

一方高解像度系のSPと1242DACを組み合わせると、鋭い立ち上がりのフルレベルあたりで一瞬オーバーシュートのようなエッジを感じます。この適度なエッジ=艶が楽器の輪郭を鮮明にして音楽に躍動感を与えているようです。

9018DACでは発生しないエッジなので、共通に使われているSicMos回路は無関係でしょう。DACチップ内部またはSicMos回路とのマッチングかな? 

この艶を見極めようと、金属、セラミック、リボンなど、硬い素材を使用した奥行方向の分解能が高い高解像度系の現代SPと組み合わせると、実音・背景音共に前方に押し出されるように定位します。SPの設計者が想定した背景音を背後に定位させる佇まいの描写が掻き消されてしまって、ビンテージ系とは逆に音楽の躍動感がむしろ減ったように感じます。

本来背後に回り込んで消え入って欲しい背景音が実音と同一平面に定位するので、背景音が背後に消え入るときに感じる高解像度SPのゆったり感、曲のテンポが落ちたか?と錯覚する安堵感が出ず、音楽に陶酔することができません。

背景の描写性能はジッターの少なさにも比例するので、ジッタークリーナー基板をメモリーバッファーに変更したらどうなるのか、気になるところですが、ジッタークリーナー基板とDAC基板が分離されており、クロックラインが長くなることも影響しているかもしれませんね。

1242DACは、ビンテージSPにお薦めのDACと言えそうです。ホーンSPも押出系のシステムなので、相性が良いのでしょう。

◆9018DAC◆
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1242DACと同様にスピード感溢れる音で、この印象がSicMosの特徴のようです。スピード感と躍動感がAITを凌駕します。一方、ジッター量の少なさに比例する奥行方向の立体表現や、エコーが消え入る瞬間の透明度はAITが明らかに優位です。

ソフトな再生音を奏でるシルクドーム系の現代SPの場合、本DACのスピード感が躍動感を与えて音楽を楽しく奏でてくれます。

一方、奥行方向に高解像度を誇るシャープな輪郭の現代SPと組み合わせると、AIT比で奥行方向の透明度が劣ります。微細レベルの透明度や解像度はジッターの量に比例するので、AITはジッターが本当に少ないのだな、と感心します。

奥行方向に高解像度を誇るシャープな輪郭の現代SPに用いるならAITが優位で、残響音が消え入る瞬間がリアルに再現されるため、聴覚がその音を追いかけて演奏のテンポが遅くなったように聴こえます。音楽にゆったり浸れるのです。

一方、ソフトな再生音を奏でるシルクドーム系の現代SPの場合、本DACのスピード感が躍動感を与えて音楽を楽しく奏でてくれます。

本DACのジッターがAIT並に減少したならば、間違いなく本DACが最強のDACになると思われます。

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