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2016年2月22日 (月)

オーディオルームの原点

我が家のオーディオルームは演奏会場のダウンサイジングが原点(モデル)となっています。

つまりフロント(演奏側(SP):低い)からリア(客席側(リスポジ):高い)へ向かって傾斜天井にする。

これが全てのスタートでした。

もうひとつ、リスポジ後方を間仕切りしないでリビングルームとスキップフロアで段差を設けただけのワンルーム(大空間開放部)形状とした。

これが後で大きな相乗効果を生むことが分かった(後述)。

当初は傾斜天井だけが目玉のオーディオルーム(の積り)でした。

設計依頼前は自分なりに過去に出版された書籍等で色々勉強したけれど、皆「帯に短し襷に長し」のレベルで満足出来る見本がありませんでした(今振り返ると当時は環境などは余り重視されていなかったからかも(今でもシステム本位がメインか??)...)。

私自身コンサートに行った経験はホンと数少ないです、しかもその中でそれなりに設計された専用会場となるとそれこそホンの一握りですね(汗)。

後は演奏会場の写真等はある程度モノの本で分かりましたので大雑把な形状をイメージして設計を専門家に依頼してスタートしました(これが涙・涙の苦労の始まり...)。

田舎の山の中の一軒家なので隣近所に遠慮する環境ではなく遮音については全く考慮しないで済みましたのでコスト的にも助かりました(尤もやれたとしても当時の推奨しているモノは今考えると全く用をなさないものが大半です(汗))・・・未だに大手を振って一人歩きしているモノが大半のようだ(遮音・防音だけに注力し過ぎると後で大きなしっぺ返しを食らう・・・消音(音を逃がす(吸音ではない))も考えないと)。

それ程この分野の専門家は自称・他称の専門家はいるけれど本当の意味で(中身が分かっている人)は皆無だと言うことでしょう。

それ以外にもコスト的には大金は掛けられない低コスト予算の設計なので構造的な仕様は殆ど普通の家の状態の(オーディオ的には)安普請と言うことでこれまたオーディオ的(が良いかどうかは別問題)には程遠い状態です(汗)。

敢えて言えば生半可なオーディオ仕様(逆に取り返しが付かないことが多い)にしなかったことが却って良かったかも...。

しかしながら私の場合、オーディオルームは建てたら終わりと言うほど簡単なものではなく10数年は全然満足出来ませんでした(汗)(この辺りのことは今迄何度も述べて来ているので詳細は割愛します)。

そして現時点でも反省することは多々ありますが今更なのでそれはそれとして手にした環境下での模索を繰返して今に至っております。

それでも東京在住時代のマンション暮らしを反省した工夫・改良点は多々あるので限界点の低さは底上げされたと思っています。

1.空間容量(高さが倍以上)を大きくした。

2.傾斜天井なので音の反射等(の連続反復)を解消出来る。

3.リスポジ後方の隣接空間(含む2階)が繋がっているので音が自然減衰(=消音)する(巨大レゾネータ)。

4.左右(構造上は)シンメトリー化

5.一部カーテン等残っているけれどカーペット等床の吸音材の撤去の効果は痛いほどはっきり分かった(一般的に音響空間に吸音材は不要・・・言い換えると天井・壁の形状の工夫次第でどうにでもなる)。

↑1.~4.はマンション時代(の弊害)を反省して取り入れたモノ。

即ちマンション時代は環境面での改善など全く度外視して機器の更新ばかりをやっていた(勿論小細工は多少していたが今思えば焼け石に水(汗))けれど、ここでは↑のようにやって来た結果、先ず、空間・形状・構造ありきで機器等は二の次・三の次で良いと言うことが分かった。

つまりマンション住まいを経験したことでオーディオ上の不都合部分を理解した為スタート時点である程度底上げ出来たと思っています。

勿論金の成る木があれば良い環境下で機器を奢ってやればそれなりに満足度は高くなる(ここでは使いこなしのレベルは問わない)けれど逆は幾らやっても限界点が低いので限りなく機器の更新に走るだけのスパイラルに陥る結果となる。

勿論これは趣味なので逆も又真なり?ですからテニヲハを理解した上であれば各自がどの道を突き進もうとそれは自由です。

現状、私自身は年金貧乏度合いの懐に合わせざるを得ないので機器は原則故障(又はその兆候が見えた)時点での更新になります(汗)。

一部身分不相応なモノもありますがそれはたまたま資金が用意出来た時の購入であって現状では叶わないことです。

齢67歳になった(もう直ぐ+1歳)ので先行きそれ程楽しめる時間は多くはないので今は出来るだけ沢山のソフトを聴いて出来るだけ耳の劣化を食い止め(られるか?)、音楽鑑賞生活を出来るだけ(楽しみながら)長く続けたいと思っている次第です。

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コメント

BUZZ-KELLORさん、お久し振り~。

>いたずらに機器へ走る事無く、音楽を心行くまで楽しめる環境を手にした事。

これらは若い時に失敗した経験を反省したことが功を奏したと思っています。

兎に角昔はイケイケドンドンでしたからね~(汗)。

本当はこの段階からはBUZZ-KELLORメソッド等による微調整が必要なのでしょうが残念ながら体が言うことを利かないのでそこはおおらかに楽しもうと思っています。

ただ巷の多くの皆さんが基本を無視乃至は目を瞑って微調整ばかりに走っているケースを目にすると何だかな~、と暗澹たる気持ちになります。

幾らそこを頑張っても所詮環境以上には音は鳴ってくれませんからね~。

勘違いしている人が多そうなのでBUZZ-KELLORさんも余り微調整の話は発信しない方が良いかもね・・・これは独り言です。

投稿: EVA | 2016年2月23日 (火) 09時02分

EVAさん
お久しぶりです!
良いお話ですね〜

オーディオのキャパは部屋が決める!です。
特に巨大レゾネーターを活用した森の中にも似た広大な自然消音...コレこそかけがえの無い財産でしょう。

産毛を震わせる倍音の表現力
消え入る余韻

これらのダイナミックな躍動感とウェーブ感が織りなす音楽の生命力

肌で感じるにはそれなりの空間が必要です。
いたずらに機器へ走る事無く、音楽を心行くまで楽しめる環境を手にした事。
これこそ音楽の神様からの贈り物なのではないでしょうか?!

当り前の事ですが、100%満足する環境等あり得ないのですからね〜
経験則で積上げた環境マージンをこれからも大いに発揮して、音楽を生き生きと楽しんで行きましょう!

では、では

投稿: BUZZ-KELLOR | 2016年2月22日 (月) 22時18分

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