THE GREAT JAZZ TRIOのアルバム
今日紹介するのはTHE GREAT JAZZ TRIOです。アルバムはBLUE MINOR(’08)です。
メンバーはHANK JONES(p)、GEORGE MRAZ(b)、BILLY KILSON(ds)です。
1.NICA’S DREAM
2.DEAR OLD STOCKHOLM
3.LONELY MOMENTS
4.I LET A SONG GO MY HEART
5.BLUE MINOR
6.COMI’N HOME BABY
7.WAY
8.MY IDEAL
9.I GOT RHYTHM
10.MISTY
このアルバムのライナーは二人いてひとりはベイシーの店主、菅原正二、もうひとりは山口孝です。
お二人ともそれぞれに味わいのあるコメントを寄せられています。
中でも最後の収録曲「MISTY」についてのお二人のコメントがそれぞれに的を射た素晴らしいコメントなので紹介して置きます。
レコーディング当日ハンクはこの曲を実にテイク9まで演奏を重ねやっと納得したと言う。
その曲を聴いて、こんなにも丁寧で、頭脳プレイをしている「ミスティ」をこれまで一度も聴いたことが無い。
ジョークが好きで気遣いのハンクの、これが真の姿であろう。
結論を言うと、ジョークの質が「音楽」の質を決定するのであって、最終的には「人」も「音楽」もその人の「クオリティー」が物を言うと、このアルバムは教えているのだ。~菅原正二
一方山口孝は「ミスティ」のソロ・ピアノが絶品であると。それは霧のようなハーモニーの海から至上のメロディが湧き上がる演出。
アドリブはおそらく何百通りのパターン展開が既に手中にあっても、ハンクが瞬時に選び抜いたそれは、最も自然な流れと美しいメロディとみまごうラインを紡ぐ。
そして常にジャズの魔性に濡れながら、これが最高の構成と選択であると聴き手に想わせる品格と魅惑の音楽なのである、と。
更にピアノのタッチに付いてハンクは鍵盤を底まで押し込まない、つまり鍵盤に触れた定位置から底までの間、僅かな運動幅の内で絶妙にコントロールしているのである。
即ちハンクのタッチは歌手やサックス・プレイヤーたちと同じように音の強弱も大小もコントロールしているのである(流石元ピアニスト、読みが深いですね)。
最後に齢90歳と書いたが、そんな言葉は全く不要な、真の名盤の誕生である、と絶賛している。
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