↑の本を読み終えました。
これを読む切っ掛けになったのは私の周りで脳梗塞を発症されて亡くなったり、病後に軽度の歩行困難とか、復帰されている方等種々パターンがあってこの病後のことを考えると中々難しい病気だと言う判断がありましたので私も後期高齢者となりましたのでいつこう言う事態になるやも知れないので予習を兼ねて読んでみました。
この著書の鈴木大介さんは8年前(41歳)、脳梗塞を起こして高次脳機能障害*と診断されました。
医療的には軽度と判断されたようですが見えない障害を沢山経験され、日常生活のあらゆるシーンで「病前通り」に出来ずに苦しまれたとのことです。
鈴木大介さんは職業がルポライターと言うことでしたので退院後参考になればとの思いでこの書籍を出版されたのです。
なおこの本は読むのが辛い人にも勧めやすいように漫画家の方と一緒になって分かり易いように構成されています。
高次機能障害とは医療現場の人ですら生活に戻った当事者のその後を殆ど想像できていない「未開の障害」です。
分かり易く言うと他者から見ても自分自身でも理解困難な「分かり辛い障害」なのです。
鈴木さんの場合、病後半年位は混乱期、1年位で何に失敗するか分かって来て失敗の背景にある障害特性を学び工夫してクリヤするのは年単位。
この障害の難しいところは分かり辛い障害の為、重い症状がない場合医療に見逃されてしまうことも少なくなく、当事者には支援制度も整っていないのが現状。
発症前にどんなことがどの程度出来た人なのか一番知っているのは何よりご本人やご家族ですが医療者や支援職は発症前のことを知りません。
これも軽度の高次脳機能障害が見過ごされてしまう理由のひとつで、本人にとっては軽度であっても日常生活のあらゆるシーンで「発症前通り」を実現できないことで苦しむのがこの障害です。
例え軽度であっても自分が出来なくなっていることに全く気付かずに日常生活や仕事に戻ると時に取り返しのつかない失敗をしてしまったり、人間関係が壊れかねない。
結果として家族崩壊や職を失う方も少なくない、と言うことです。
この障害は受けた脳の部位や範囲、ご本人の発症前の得手不得手や性格、発症前後の周辺の環境などによってどのように不自由が出るか千差万別の障害です。
主に言語をつかさどる左側の脳にダメージのある方は、そもそも文字を読むことが困難になることもあるので注意する必要があるとのことです。
*事故で頭に怪我をしたり、前述の脳梗塞や脳出血で脳神経細胞にダメージを負うことで起きる脳の認知機能の障害です。
簡単でありますがこの本の内容をご紹介させて頂きました。
ご関心のある方は是非お読み下されば何かのご参考になるかも知れませんね
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