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2024年7月 4日 (木)

2040年の未来予測(’21年発売)・・・成毛眞著(元日本マイクロソフト社長(その2)

#02 あなたの不幸に直結する未来の経済-年金、税金、医療費

[2040年の日本は老人ばかり]

これからの日本はますます貧しくなるのは間違いない。

2020年の今、日本はすでに貧しい。

つまり、日本は世界でみると、「安い国」になったということである。

政府の債務残高だ。

2018年時点で237%、IMFの調査国188カ国・地域中188位であった。最下位だ

政府は2019年度に124兆円だった社会保障関係の総支出額は2040年には190兆円に拡大すると予測している。

その中でも、医療介護給付は現行の2倍近い90兆円を超える水準まで跳ね上がる可能性も指摘されている、

65歳以上を支える現役世代は1950年には12.1人だったのが、2040年には1.5人になる。

高齢者ひとりを、かつて胴上げ出来たのが、肩車しかできなくなるようなイメージだ

[老人が増え、それを支える若者が減る]

東京都の年少人口(15歳未満)が占める割合は2019年11%だったが、2040年以降には10%を割り込む。

子育て支援に力を入れようとしても、対象となる子供がいなくなるのに歯止めがかからない、皮肉な状態だ。

あたりまえだが、人口は最も読みやすい。

現在の延長線上にある未来はこうした世界だ。

[国の財源は、私たちの社会保険料からまかなうしかない]

給与明細票を見てみよう。

賃金上昇を上回るペースで社会保険料の負担が上昇している。

10年前に比べて社会保険料の負担率は、ひとりあたり26%増えているが、賃金は3%しか伸びていない。

[全ての問題は高齢者が増えること]

高寿命化により、2035年には4人にひとりが認知症になる。

将来、自分が住む場所に、どのくらいの年齢の人が集まるかを考えることも重要だ。

[老人ホームは高い]

特養であっても、経済的余裕がなければ入れないのが実情だ。 

2019年時点での75歳以上の未婚者は全国で70万人弱。

2030年には約140万人に増え、2045年には約250万人になる。

総人口は減るにもかかわらず、未婚の人口はいまの3~4倍になるのだ。

独身で低所得だった場合、孤立死は避けられない。

[将来の医療費を減らすのは、テクノロジー]

多くの経済予測が見落としているのは、技術の進歩だ。

テクノロジーを使えば難しくはない。

技術を使って、属人的だった働き方を技術に任せるようにすれば、スタッフの負担も大幅に減る。

[70歳まで働くなら、今と同じ額の年金はもらえる]

「預貯金が2000万円程度あれば、月々5万5千円程度の赤字が出ても、30年程度は無職でもやっていける」と指摘しているに過ぎない。

年金がもらえなくなると言うことは、日本が滅亡することを意味するも同然だ。

結論から述べると、現状の延長だともらえるだろう、ただ、厳しい額が待っているというのが正直なところだ。

2019年度の所得代替率は61.7%だ。

シミュレーションは一つだけではない。

経済成長が持続し、最もバラ色の仮定でもそれが所得代替率は54.3%まで下がる。

そして、最低のシナリオの場合では、2052年度には所得代替率は36%から38%程度まで落ち込む。

年金はもらえる。

だが70歳近くまで働かなければならない。

それが2040年の年金の我々の年金のリアルだ。

[そもそも、年金のしくみを知っておこう]

これら、社会保障が危なくなった最大の理由が、やはり「想定外の長生き」だ。

経済成長は鈍っているのに、長生きする人が増えている。

国民皆年金や国民皆保険が始まったのは1961年、当時の高齢者の比率は6%程度だった。

しかし現在は30%弱だ。

これが今後も広がり続ける。

高齢者の増加と一緒に、給付金額も膨らむ。

1970年に3.5兆円だったのが1990年に47.4兆円、2000年に78.4兆円、そして今120兆円規模になっている。

[年金は国から自動的にもらえるお金ではない]

結果として、保険料を支払う人が多く、平均寿命が短かった時代に比べて、保険料を支払う人が減り、国民の平均寿命が長くなれば、給付額も減る。

これが年金のしくみだ。

制度自体が、ここまでの長生きを前提にしていなかったのだ。

調整ができないときは日本がすでに破滅しているときである。

困窮している人は保険料が免除されたり、猶予されたりする。

結果、総加入者の約2割が支払っていない状態になっている

猶予や免除とは別に、保険料は未納、徴収漏れが意外に多いのだ。

これはひとえに、社会保険関連にテクノロジーの活用がまったく進んでいないことによる。

きちんと徴収の仕組みを整備するだけでも足しになるだろう。

所得を把握するにしても、市町村、国税庁、日本年金機構がバラバラにデータを集めているのだ。

共有化以前の問題だ。

医療分野でも、医療、健診、介護などのデータは繋がっていない。

これの共通化で環境は大きく変わるだろう。

[なぜ日本では保険料の徴収漏れが多いのか]

税金は国税庁、社会保険料は日本年金機構が徴収している

役所の縦割り行政の弊害が出ている。

ふたつの機関でほぼ同じ作業をしていることになる。

先進国のみならず旧共産圏でもこれらのふたつの機能は「歳入庁」として一本化されているのは常識だ。

役所の利権によるものだとして指摘されている。

右肩上がりに膨らむ社会保障費を前に、官僚の反対があろうが推し進めるべき構想ではなかろうか

[日本ですばやい経済対策ができないのはなぜか]

国税庁は「税金を取るところ」、市町村は「個人所得や財産などの情報を収集し、税を課し、必要に応じて給付も行うところ」という役割分担となっている。

アメリカで、細かい基準を設けながらも迅速に対応できたのも、歳入庁がすべてを取り仕切り、個人情報までを把握しているからだ。

日本も税や、社会保険の窓口を一本化すべきだ。 

[会社員が最も税金を払っている]

数兆円規模の増収につながる可能性が高い。

[ベーシックインカムは実現するのか]

社会全体で、ほんのはずみで、あっという間に困窮しかねない層が分厚くなっている。

[救世主になるかもしれない経済学理論、MMT(現代貨幣理論)]

つまり、異常な状態に陥らない限り、財政赤字が膨らもうが、自国通貨を発行している限りインフレはコントロール可能というのだ。

海外では「日本がMMTの成功例」という評価すらある。

[日本のGDPはお先まっくらなのか]

2045年には1億1千万人を割り、2055年には1億人の大台を下回る。そして、2100年には現在の半分以下の6000万人規模になると予想される。

さらに恐ろしいのは高齢者比率だ。高齢者を65歳以上とすると、2035年には略3人にひとり(32.8%)、2065年には2.6人にひとり(38.4%)になる。

直近の推計では、2040年前後に4000万人なると試算されている。

ミクロでは、少子高齢化により立ちゆかなくなる分野は、産業をはじめ多岐にわたって出てくることも又疑いようがない。

[地銀はすでに存在が危ぶまれている]

2040年、「地方消滅」は決して可能性ではなく、現実問題だ。

[教育分野は2040年は厳しい]

退職金で逃げ切れると計算している人もいるかもしれないが、2040年は退職金すらあてにできない時代になっている。

[退職金はそもそも払わなくても違法ではない]

社業規則に退職金の規定を、設けた場合は支給しなければならない。

しかし、退職設金制度を設けなくても違法ではない。

20年後の2040年には1000万円を割り込む可能性がある。

[退職金は、給料が安い代わりに退職時に多く支払うことから生まれた]

つまり、企業にとって退職金は「賃金の後払い」のようなしくみだ。

退職金、終身雇用、年功序列は中小企業にも広がり、日本経済をえた。

昭和のサラリーマンがなかなか転職しなかったのも、勤続年数が退職金に比例するため「今更やめたら損」という意識を持たせたのも大きかった。

退職金を当てにするのは危険だ。

[民間の保険には入らない方がいい]

まず、生命保険や医療保険は無駄な出費である。

国民健康保険や組合健保などの、日本の公的保険制度は大変充実しているからだ。

[預貯金はもう意味がない]

そもそも、「老後2000万円問題」は老後のために「預貯金以外の金融サービスを使って個人で老後資金をつくりなさい」という金融庁のメッセージだ。

そして、たしかに保険に意味がなく、預貯金がだめならば、投資しかない。

[これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価を決める]

だが、これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価をより決めることになる。

そうした時代に、一企業のテクノロジーなどの可能性で株価を占うのはあまりにリスクが高い。

[資産形成したいならインデックスファンド]

資産形成したい多くの人には「株式のインデックスファンド」一択だ。

ざっくりいうと、「その国自体が大丈夫かどうか]という視点で選べる。

ただ、ひとつ確実なのは、誰にでも老いは平等に訪れると言うことだ。

続く

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