BN再発盤

2010年11月24日 (水)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(20)・・・備忘録

これは’08.8.21にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERSです。アルバムはA NIGHT IN TUNISIA(’60.8.7録音)です。

やっとこのシリーズ最後になりました。思い返すと全20枚のコストもそうだが中身が極めて濃く私にとってはこの歳(60歳)になって初めて知ったことも多く大変勉強になりました。

と言っても今更時間は取り返せないので知る機会があったものを大切に聴き、そして何かの切っ掛けでその先へ進められれば良いと思っています。

それにしても思い出すのは昔、LPを買った動機の一つはジャケ買いでした。それを思うと今回のB/N再発盤は全て魅力あるジャケです。この当時でこれ程センス良いジャケを考えていたこと事態全く大したものですね。

時代を超越していて現代にも十分通用します。その割には余りジャケ買いの感覚でヒットしなかったのは何故か。要するに知らなかっただけですね(;´Д`A ```。

それを思うと今のCDは矢張り大きさに大いに不満あり、ですね。迫力なしです。今後のネットミュージックになると何もありませんけれど、果たして音楽の内容だけで通用するものなのか、大いに疑問が残ります。

さて本題に戻ります。THE JAZZ MESSENGERSは端的に言うと元々はシルヴァー・クインテットだったグループからブレイキーが独立しただけの話である。

その際にブレイキーは自分のアイディアで名乗るようになったTHE JAZZ MESSENGERSと言うグループ名を以後も使うことに決めたのだった。つまりメンバーもグループ名もあるべきところに戻ったと言うことだ。

しかし、その後のTHE JAZZ MESSENGERSは暫くの間いばらの道を歩むことになる。そしてこのグループの立て直しを図るために迎えられたのがべニー・ゴルソンだ。

この後の経緯はアルフレッド・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(3)https://am-izu.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-a85d.htmlに記述していますので興味のある方はご参照下さい。

チュニジアの夜は冒頭からブレイキーならではの迫力に溢れたドラミングが登場。又後半彼ならではのスティックさばきに絶好調にあった姿が彷彿とさせられる。もう一つの聴きどころは無伴奏によるモーガンとショーターのカデンツアだ。

シンシアリー・ダイアナはショーターが当時のブレイキー婦人に贈ったオリジナル。ショーターはミディアム・テンポで軽快に吹きまくり新世代のテナー奏者振りを存分に披露している。

ソー・タイアードはティモンズの書いたジャズ・ロック風のナンバーです。

ヤマはモーガンが当時結婚していたのは旧姓山本と言う日本人女性だった。その奥方の名前が付けられた彼のオリジナルです。ミディアム・スローの曲です。

小僧のワルツはモーガンのオリジナルで日本贔屓の彼の心情を示したナンバーだ。シンプルなリフで構成されたジャズ・ワルツです。この曲はメンバーの内、ショーター、モーガン、ティモンズのソロに続き最後は御大ブレイキーのソロで締め括られている~ライナー・ノーツ。

このシリーズ全20枚の紹介がやっと終わりました。

冒頭のチュニジアの夜、書評に違わず素晴らしい演奏で聴き応え充分です。

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2010年11月19日 (金)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(19)・・・備忘録

これは’08.8.14にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはJOHNNY GRIFFINです。アルバムはTHE CONGREGATION(’57.10.23録音)です。

メンバーはJOHNNY GRIFIN(ts)、SONNY CLARK(p)、PAUL CHAMBERS(b)、KENNY DENNIS(ds)です。

Ⅰ 1.THE CONGREGATION 2.LATIN QUARTER

Ⅱ 1.I’M GLAD THERE IS YOU 2.MAIN SPRING 3.IT’S YOU OR NO ONE

JOHNNY GRIFFINが生まれ故郷のシカゴを出てニューヨークに進出したのは28歳の時です。

シカゴ時代からその機関銃のように矢継ぎ早に繰り出されるフレーズで、既に”シカゴ一の早撃ち男”のニックネームを付けられていた言うグリフィンがニューヨークに来て行った最初の重要な仕事がブルーノートとの契約でした。

そして第三作目がこのアルバムで、しかもブルーノートでの最後のリーダー作となった。しかもこのアルバムでは再び1ホーンによる編成に戻り、もう一度グリフィンのテナーをじっくりという形だが、このアーティスト・ディベロップメントの仕方は流石だ。これぞ正しくライオンの慧眼だ。

このアルバムの特色のひとつはグリフィンのマシンガンの速射のようなあの圧倒的なスピードではなく、今一ぐっと控え目気味のペースでテナーを吹いている。これはグリフィン以外の3人のサイドメンのカラーと言うことがあるのだろう。

このアルバムは専ら連吹きテナーでならすグリフィンの、その薄皮一枚めくった姿が見えるものと言ってもいいかも知れない。

何れにせよこのじんわりとした、とてもいいムードを持ったこのアルバムを聴いているとグリフィンとは実は相当に底の深い、複雑かつデリケートなジャズ・ミュージシャンなのでは~ライナー・ノーツ。

THE CONGREGATION はグリフィン作で足を鳴らし、手を叩くような楽しげなブルースのグルーブに乗って跳ね回る曲だ。

LATIN QUARTERはジョン・ジェンキンスの作品。タンジェリンンのメロディに基づくラテン的な曲。

I’M GLAD THERE IS YOUはとても美しいミディアムテンポの曲。

MAIN SPRINGはグリフィン作。ダウンホームタイプのブルース。

IT’S YOU OR NO ONEはミディアム・アップで演奏される締めくくりの曲。いわば全員参加の曲となっている。

グリフィンのルーツはベーシックなステイトメントを打ち立てることを可能にしている~ライナー・ノーツ。

私はJOHNNY GRIFFINも今まで全く知りませんでした。でもこのアルバムを聴いて感動しています。尤もSPが直って来ての試聴ですから余計にそう思えるのかも知れないですが。

私は元来、低音域を担当する弦楽器が好きですが、トランペットに代表されるホーン類も好きです。そしてドラムを始めとするパーカッション類も大好きです。

このシリーズも残すところ後一枚となりました。

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2010年11月12日 (金)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(18)・・・備忘録

これは’08.8.13にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはKENNY BURRELLです。アルバムはMIDNIGHT BLUE(’63.1.8録音)です。これはたまたま輸入盤のBST-84123と言う盤があるので聴き比べもしました。

メンバーはSTANLEY TURRENTINE(ts)、KENNY BURREL(g)、MAJOR HOLLEY JR(b)、BILL ENGLISH(ds)、RAY BARRETTO(co)です。

Ⅰ 1.CHITTLINS CON CARNE 2.MULE 3.SOUL LAMENT 4.MIDNIGHT BLUE 

Ⅱ 1.WAVY GRAVY 2.GEE BABY AIN’T I GOOD TO YOU 3.SATURDAY NIGHT BLUES

ケニー・バレルのアルバムのタイトルは”ブルー”のついた作品が数多くある。中でもこの”ミッドナイト・ブルー”の印象は強烈だ。”BLUE”と言う文字がジャケットに最大級のスペースをとってデザインされている。

バレルほどブルーと言う言葉の似合うギタリストは他にはいない。この場合のブルーと言うのはもちろんブルースとブルース・フィーリングのブルーのことだ。

ブルース・フィーリングについてバレル本人に尋ねたことがあるが「私の生まれ育ったデトロイトはブルースが日常生活に溢れていた。別にミュージシャンでなくてもブルース・フィーリングが自然と身に付く街なんだよ」と。

更に洗練させ方のコツのようなものがあるかどうかを聞くと、彼は「フィーリングを洗練させることだねフィーリングを忘れてはいけない」と言っていた。これって万人が出来るものではないので矢張り才能ですよね。

そしてこんなことも言っていた。テクニックが幾ら身に付いてもフィーリングがなければジャズにはならない。矢張り双方のバランスがとれたミュージシャンがいいジャズをやれる、と。

バレルは’70年代からカリフォルニアの大学UCLAでジャズを教えている。当然「フィーリングを忘れるな」と授業で口酸っぱく言っているそうだ。

バレルはデビュー当時からエリントンのファンだったが、彼にとってはエリントンは生涯の研究課題のようだ。その思いが昂じてUCLAで「エリントニア」と言うデューク・エリントンを研究するコースを設けている。

そこで思い至るのが、バレルの洗練されたブルース・フィーリングはエリントンに影響を受けたのではないか、と言うことです。エリントン・サウンドに共通する洗練をバレルから聴き取れるからだ。

このアルバムはバレルの理想的なブルース・フィーリングが満喫出来るのが人気の理由だろう。

このアルバムのタイトル「MIDNIGHT BLUE」はオリジナル曲がたまたまタイトルになった訳ではなく、”MIDNIGHT BLUE”と言うフィーリングをアルバム全体で表現しているからだ。

この作品全体にタイトル通り、都会の真夜中のしじまに静かに響き渡るようなブルース・フィーリングが溢れている。そう、このアルバムはブルース・シティの深夜そのものなのだ~ライナー・ノーツ。

CHITTLINS CON CARNE はコンガがラテンのムードを決めている。そしてタレンタインが泣く、これぞまさしく”泣き”である。

MULEは美しい精巧さで始まる。

SOUL LAMENT はバレルのー個人的なー非常に個人的なーソロ・メッセージである。

MIDNIGHT BLUE はリズムセクションが加わっているが、ビートが非常にしっかりしてるので実際のテンポより速く感じられる。全編バレルだ。

WAVY GRAVY は緊張感を高めていくパターンを備えているから「ブルースの組み立て」と呼ばれている。

GEE BABY AIN’T I GOOD TO YOU は本アルバム中唯一のスタンダードである。原曲はバラードだが「けれども本質的にはやっぱりブルースなんだ」と

SATURDAY NIGHT BLUESは気合の入ったブルースだ。この曲でセッションは激しく揺れる結末を迎える。

アルバム全体を見渡して全ての曲がある性質を確実に共有している。それはダウンホームなブルースのフィーリングと言う言葉で締め括るのが一番適切なのだ、とライナー・ノーツ。

しかし、このジャケットのデザインは秀逸ですね。45年も前に作られたアルバムとは思えません。

復刻盤:これ一枚を聴いている分には全く何も問題はない、素晴らしいアルバムです。

BST-84123:違いは正直分かりません、幾分音がシャープかな、と感じる程度です。

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2010年11月 6日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(17)・・・備忘録

これは’08.8.10にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはKENNY DREWです。アルバムはUNDERCURRENT(’60.12.11録音)です。

メンバーはFREDDIE HUBBARD(tp)、HANK MOBLEY(ts)、KENNY DREW(p)、SAM JONES(b)、LOUIS HAYES(ds)です。

Ⅰ 1.UNDERCURRENT 2.FUNK-COSITY 3.LION’S DEN

Ⅱ 1.THE POT’S ON 2.GROOVIN’ THE BLUES 3.BALLADE

私の最も好きだったピアニストの一人がこのKENNY DREWです。但し私が持っているのは後年のものばかりでどちらかと言うと比較的入り易いジャズとは言うもののポップス色の強いアルバムが多かったですね。

又記憶が定かではありませんが比較的大きな会場(コンサートホールだったと思いますが)で一度だけ生を聴いたことがありますが席が後ろの方だった為音が余り大きくなく少々がっかりした記憶があります。

生は良いのですがこの席の問題等がネックになり全てが良いとは言えないのですね。勿論家で聴くのはそれ以上に問題が多いのは間違いないところですが

彼はバド・パウエルに決定的な影響を受けてプロ入りした。所謂パウエル派の一人である。

彼はこのアルバムの完成後の翌年渡欧する。その後’64.1にデンマークのコペンハーゲンに拠点を移し、そのまま生涯同地を離れることはなかった。

UNDERCURRENT、曲は冒頭から壮絶な勢いでスタートし、モブレーのソロで最高潮に達する。この曲が提示する一つの基準はアルバムの最後まで保たれた。

FUNK-COSITY はUNDERCURRENTと同じくマイナー・キーだが違った雰囲気を持つ作品だ。

LION’S DENは楽しいスイング曲。

THE POT’S ON は特にリズム・セクションのパワーが強烈に打ち出されている。

GROOVIN’ THE BLUES はジャズが持つ力強さを具現化したようなマイナー・キーのブルースだ。

BALLADEはある若いご婦人の為に書かれた愛らしい作品です。

主役のドリューがそのキャラクターを発揮するのは’70年代に入ってからなのだった~ライナー・ノーツ。

私が持っている後年のアルバムは勿論’70年代以降のものですがこのライナーの意図しているものかどうかは分かりません

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2010年10月30日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(16)・・・備忘録

これは’08.8.9にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはTINA BROOKSです。アルバムはTRUE BLUE(’60.6.25録音)です。

メンバーはFREDDIE HUBBARD(tp)、TINA BROOKS(ts)、DUKE JORDAN(p)、SAM JONES(b)、ART TAYLOR(ds)です。

Ⅰ 1.GOOD OLD SOUL 2.UP TIGHT’S CREEK 3.THEME FOR DORIS

Ⅱ 1.TRUE MISS HAZEL 3.NOTHING EVER CHANGES MY LOVE FOR YOU

TINA BROOKSはアメリカにおいても幻のミュージシャンだった。42歳の人生を閉じるまでに彼は僅か14回のレコーディング・セッションしか残していない。

その内12回がブルーノートでの録音である。これは不幸中の幸いであった。ブルーノートだからこそ未発表の吹き込みもきちんとチェックされ世に紹介されることになったからである。

本アルバムは彼の存命中に発売された唯一のリーダー作である。

彼の作品は極めて少ない上に殆どが長い間未発表のままに残されていた。しかも滅多なことがない限り、演奏活動も行わなかったから有名になれないのは当然ですね。

しかし、この作品を聴いても分かる通り彼は如何にもブルーノート好みのハード・バッパーだった。過小評価と言う言葉は彼のようなミュージシャンに与えられるべきものだ。この作品でそのことを改めて思い起こさせてくれる。

GOOD OLD SOUL はブルージーなファンキー・ナンバーです。

UP TIGHT’S CREEK は如何にもハードバップといった感じの軽快な演奏です。

THEME FOR DORISは2管のフロントながら色彩感豊かなサウンドを現出させている。

TRUE MISS HAZEL はハードバップチューンの曲です。

NOTHING EVER CHANGES MY LOVE FOR YOUは本作中唯一のスタンダードナンバーです~ライナー・ノーツ。

TINA BROOKSはアメリカにおいても幻のミュージシャンだったのだから今まで私が知らなくても何ら不思議ではない(;´Д`A ```。

でも今日こうして聴くことが出来るのはブルーノートのお蔭であると言っても過言ではない訳ですね。

趣味の世界ですから知らなくても何ら生活に支障が出る訳でもないが、心の安寧さを考えると矢張りこう言った内容のアルバムは知っておいて損はない、とも言えますね。

演奏の雰囲気は最高ですね。私の好きなアルバムです

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2010年10月23日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(14)・・・備忘録

これは’08.8.7にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはDONALD BYRDです。

アルバムはFUEGO(’59.10.4録音)です。

Ⅰ 1.FUEGO 2.BUP A LOUP 3.FUNKY MAMA

Ⅱ 1.LOW LIFE 2.LAMENT 3.AMEN

メンバーはDONALD BYRD(tp)、JACKIE MCLEAN(as)、DUKE PEARSON(p)、DOUG WATKINS(b)、LEX HUMPHRIES(ds)です。

クリフォード・ブラウンが不慮の交通事故でこの世を去ったのは’56.6.26未明のことです。この時既にマイルスはスーパー・スターの座についていたものの、ブラウンの死でtpの世界には一種の空白が生まれてしまった。

その隙間を埋める存在が彼の死と入れ替わるように頭角を表して来たドナルドとモーガンだ。この二人にその後デビューを果たすフレディ・ハバードを加えた3人が”ポスト”クリフォード・ブラウンとして脚光を浴びるようになったのである。

中でも真っ先に注目を集める存在がモーガンだった。暫し遅れて評判を獲得したのがバードである。バードはファンキージャズ路線で人気を高めていく。

このアルバムはファンキージャズの傑作として世に知られているが、モード的なアプローチもあれば本格的なハードバップもあると言った多彩な内容がこの作品の本質である。

彼は’63にはパリ、’65にはスイスで勉強し、ジャズ界では珍しいほどの学究の徒であった。後年にはコロンビア大学から博士号を授与されている。その後にはハワード大学で音楽学部の主任教授に就任。

この大学での教え子と組んで’74に吹き込んだ「ブラック・バード」はブルーノート最大のヒットを記録(幸いにして私はこのアルバムはオリジナルを買って当時楽しみました。聴き過ぎて痛んでいるかも)。

マイルスほど目立ちはしなかったものの20代前半から常にジャズの先端部分に関わってきた。このアルバムは彼のキャリアを代表する1枚である。

FUEGOはスペイン語で炎を意味する。ファンキージャズの名盤と呼ばれている。

BUP A LOUPはバードの作品。スタッカートを効果的に用いたもので彼なりのビ・バップを追及したものだろう。この中でのバードのソロは’50年代前半のマイルスのプレスティッジでの演奏を思い起こさせるものです。

FUNKY MAMAはスロー・ブルースです。聴きどころは中盤から徐々に盛り上がりを示し、演奏に力強さを盛り込んでいく件だ。

LOW LIFEはちょっとブルース・マーチを思わせるメロディとリズムがこの曲の魅力です。このアルバムの人気を高めている要素の一つがこの曲にあることは間違いない。

LAMENTはバードの作品でJ.J.ジョンソンが書いた曲とは同名異曲です。幻想的なムードに溢れたメロディは中々に魅力的である。

AMENはこれぞ4曲目のロウ・ライフと共に本作の人気を決定付けたヒット・チューンである。繰り返しの部分が所謂”コール&レスポンス”形式になっている~ライナー・ノーツ。

このアルバムのバードと’74のバードは全く違う印象です。15年の時を遡って聴くこのアルバムのバードは非常に新鮮です。本当に勉強になりますね。

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2010年10月16日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(13)・・・備忘録

これは’08.8.6にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはHANK MOBLEYです。

アルバムはWORKOUT(’61.3.26録音)です。

メンバーはHANK MOBLEY(ts)、GRANT GREEN(g)、WYNTON KELLY(p)、PAUL CHAMBERS(b)、PHILLY JOE JONES(ds)です。

Ⅰ 1.WORKOUT 2.UH HUH

Ⅱ 1.SMOKIN’ 2.THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE 3.GREASIN’ EASY

ハンク・モブレーの特色は柔らかいトーンと滑らかなフレージング、そして軽快なスイング感にあると言って良い。その自らのペースを守って一生を終えた人でした。

余談だがマイルスの下でのハンクのプレイは何処か居心地が悪そうに聴こえるが、’60から’61に掛けてブルーノートに残したリーダー作での彼の演奏は実に溌剌としたものです。

WORKOUTはハンク自身の作品で、典型的ハード・バップ・ナンバーです。

UH HUHもハンクの作品で、シンプルなリフを積み重ねていくAABA32小節からなっている。

SMOKIN’、これもハンクの作品です。速いテンポのブルースでこのテンポではフィーリー・ジョーの躍動的なドラミングが圧巻です。

THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREEはこのアルバム中唯一のスタンダード・ナンバーです。’27のミュージカルの作品を粋にスイングさせてモダンな味わいに仕上げている。

GREASIN’ EASYはハンクの作品です。伝統を踏まえたモダン・ブルースとでも言うべきファンキーな曲です~ライナー・ノーツ。

私はハンク・モブレーも良く知りませんでした(;´Д`A ```。

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2010年10月 9日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(12)・・・備忘録

これは’08.8.5にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはJACKIE MCLEANです。

アルバムはSWING、SWANG、SWINGIN’(’59、10、2録音)です。

メンバーはJACKIE MCLEAN(as)、WALTER BISHOP JR(p)、JIMMY GARRISON(b)、ART TAYLOR(ds)です。

Ⅰ 1.WHAT’S NEW 2.LET’S FACE THE MUSIC AND DANCE 4.STABLE MATES 5.I’LL REMBER YOU

Ⅱ 1.I LOVE YOU 2.I’LL TAKE ROMANCE 3.116TH AND LENOX

このアルバムは彼の秀作として現在も多くのファンから支持されている。パーカー派から出発した彼は’50年代末から’60年初頭に掛けて大きく変貌していくがそうした流れの中で本作は彼がスタンダードを中心にスインギーなハード・バップを演奏すると言うまことにもってモダン・ジャズの王道を行くような作品になっていた。

又このアルバムは彼のワン・ホーンのみと言う珍しいものです。アルバム単位でのワン・ホーン・カルテットの作品は本作が初めての試みである。

このアルバムには曲の紹介がありません。アルフレッド・ライオンは音楽にはより詳しい説明は不要だと言いました。「彼らはやって来て、スイングし、帰っていった。だからこのアルバムを「スイング・スワング・スインギン」と名付けたのだ」彼らは本物の”ラヴ”ミュージックを作り上げたのである。~ライナー・ノーツ。

私はこのアルバムで初めて彼の名前を知りました。こんなにも素敵なアルト・サックス奏者がいたのですね。本当にこの再発盤シリーズはこれからジャズを知る上でも参考になります。

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2010年10月 2日 (土)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(11)・・・備忘録

これは’08.8.1にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはJUTTA HIPPです。アルバムはJUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS(’56.7.28録音)です。

メンバーはJERRY LLOYD(tp)、ZOOT SIMS(ts)、JUTTA HIPP(p)、AHMED ABDUL-MALIK(b)、ED THIGPEN(ds)です。

それでは曲目の紹介です。

Ⅰ 1.JUST BLUES 2.VIOLETS FOR YOUR FURS 3.DOWN HOME

Ⅱ 1.ALMOST LIKE BEING IN LOVE 2.WEEーDOT 3.TOO CLOSE FOR COMFORT

それでは先ずユタ・ヒップに付いてご紹介します。彼女はドイツ出身です。ニューヨークに出てきたのは’55.11.18のことです。自己流でクールなスタイルを身に付けた彼女はニューヨークに進出するや”女性版レニー・トリスターノ”の異名を貰い、ミュージシャン達の間でたちまちの内に大きな評判を獲得する。

しかし異国の地にあった彼女は最初大きなカルチャーショックを受けたと言う。その彼女が自身を取り戻したのはジャズ・クラブに足を運ぶようになってからのことです。と言うのもそこには彼女を知っているミュージシャンやファンが何人もいて励まされたからである。

一方で現実的な問題である酒類の提供される店でパフォーマンスを行う場合、キャバレー・カードと言う一種の許可証を所有しなければならなかった。彼女は外国人なので取得までに余計に時間が掛かったのは言うまでもない。

結局半年近く掛かって’56春に取得し、ライヴ活動が始まった。そしてこの原盤のライナー・ノーツを書いているレナード・フェザーは彼女の身元引受人となって種々尽力したのです。

ユタ・ヒップの名が余り知られていないのはその活動期間が余りにも短かった為です。と言うのも’58頃までは活躍していたもののその後は活動をストップ。

縫製工場で働く傍ら、元々好きだった水彩画を描く日々を過ごしたと言う。しかし才能がある人は違いますね。この分野でも持てる力を発揮し、彼女の絵はニューヨーク市立美術館にも所蔵されていると言うことです。

話が長くなりました。それでは曲の一言紹介です。

Ⅰ1.JUST BLUES は長く、12小節の伝統を綿密に踏まえた曲です。ユタのスタイルは1年前アメリカに来て以来、ホレス・シルバーをはじめとするモダニストたちの演奏を聴き、新たな方向性を打ち出している。

2.VIOLETS FOR YOUR FURS はマット・デニスの詞で有名。ズートとユタは略出ずっぱり。

3.DOWN HOMEはお馴染みのハーモニーの小径を通ってインディアナへちょっと遠出するような曲です。ズート、ユタ、ジェリーの奮闘が聴ける。

Ⅱ 1.ALMOST LIKE BEING IN LOVE は最初の1小節から中位のいい感じのテンポとグルーヴに入って行く。ユタは短音による中音域のラインだ。余り大きく踏み出すことはなく中音域のCから1オクターブ位の範囲に収めている。

2.WEEーDOT は40年代後半にJ.J.ジョンソンが書いたブルースです。

3.TOO CLOSE FOR COMFORTはブロードウェイ・ミュージカル「ミスター・ワンダフル」のヒットだ。最初にレコーディングされたクールなジャズ・ヴァージョンである~ライナー・ノーツ。

私は先ずユタ・ヒップと言う名前をこのシリーズを買うことにより初めて知りました。尤も余りジャズの世界に詳しくないので知らなくて当たり前と言うことでしょうが...。

私なりに考えるとこのシリーズは買うなら全部が正解でしょうか。持っていないものだけと言うことになると何か抜け落ちてしまうような気がしています。今まで聴いて来て不要なモノは一枚としてありませんでした。ジャズをこれから楽しむと言う方にもお薦めの20枚でしょう。(と言って、未だ全部は聴いていませんが)。

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2010年9月30日 (木)

A・ライオン生誕100年ブルーノート再発盤(10)・・・備忘録

これは’08.7.29にアップしたモノの要約です。

今日紹介するのはKENNY DORHAMです。アルバムは’ROUND ABOUT MIDNIGHT AT THE CAFE BOHEMIA(’56.5.31録音)です。

Ⅰ 1.MONACO 2.’ROUND ABOUT MIDNIGHT 3.MEXICO CITY 

Ⅱ 1.A NIGHT IN TUNISIA 2.AUTUMN IN NEW YORK 3.HILL’S EDGE

メンバーはKENNY DORHAM(tp)、J.R.MONTEROSE(ts)、KENNY BURRELL(g)、BOBBY TIMMONS(p)、SAM JONES(b)、ARTHUR EDGEHILL(ds)です。

このセッションの全体的な印象から一つの興味ある事実が浮かび上がる。明らかにケニーはディジーやモンクの曲を借用する時にも自分で曲を書く時にも短調の曲を好んでいるらしい。

ただその結果はけっして単調に陥らないばかりかこのセッションに一つのまとまりを与え、ずっと以前からケニーの作品の重要な要素だったある憂愁の魅力を引き出している。

このアルバムはジャズ・メッセンジャーズを退団した彼が初めて持った自分のグループによるものです。

この録音はアルフレッド・ライオンがRVGただ一人を従えて「カフェ・ボヘミア」に乗り込み、その模様を捉えたものです。その背景にはRVGが当時、小型高性能の録音機を入手したと言う後世のジャズファンが改めて神に感謝したくなるような状況もあったのだそうだ。

さてこのグループ自体の作品としては本アルバムが2作目です。でこの直後に解散となる。

物静かなハード・バッパー、ケニー・ドーハムはまさしく等身大の巨人と言う感覚。誰からも文句なく親しまれる愛すべきトランペッターとしてのドーハムの存在を強くアピールすることにもなっているのだ。~ライナー・ノーツより

Ⅰ 1.MONACO はせつせつと訴えかけるようなスローなラテン・ビートで始まり、間もなく倍テンポになってケニーの個性を十分に発揮した長い流麗なソロを生み出す。

2.’ROUND ABOUT MIDNIGHT はスモール・コンボによるセロニアス・モンクのテーマの解釈の伝統的パターンを踏襲しており、ケニーとJ.Rがこの曲の哀愁に満ちたムードを深く掘り下げ、ボビー・ティモンズが繊細な16小節のソロを付け加える。

3.MEXICO CITY はバップの香りのする、はじけるようなアップ・テンポのマイナーのテーマで、総体にエキサイティングで粒揃いなこのセッションの中でも一番グルーヴィな曲と言えそうだ。

Ⅱ 1.A NIGHT IN TUNISIA はディジー・ガレスビーが書いた曲でモダン・ジャズのスタンダードである。オープニングのラテン・リズムから間もなくストレートな4/4に移行すると言う、標準的な処理が施されている。間奏部から飛び出して第2コーラスに突入する際のケニーの素晴らしいソロ・ブレイクは最大の思い出とライナーノーツ氏は語っている。

2.AUTUMN IN NEW YORK は彼としても最高に雄弁で趣味の良いバラード演奏である。

3.HILL’S EDGEはケニーがドラマーの名前をひっくり返して曲名にした。

ライナーのレナード・フェザーは相当このアルバムがお好きなようです。「失礼、ちょっと針を戻しますよ。もしあなたさえよければ、もう一度最初から聴きかえしたいので」と述べています。

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